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ウェルビーイングの意味とは?
幸福度の高い組織の作り方

ウェルビーイング(Well-being)は、幸せという意味がある英語です。ハッピーやハピネスなども幸せを意味する言葉ですが、ニュアンスが異なります。WHO設立時の憲章で触れられたのが始まりで、近年注目を集めている言葉です。

この記事では、ウェルビーイングの意味に加えて、注目されている背景やビジネスにおける考え方、メリット、事例まで解説していきます。

ウェルビーイングの意味とは?

ウェルビーイング(Well-being)とは、「幸せ」「幸福」といった意味を持つ概念です。ハッピー(Happy)やハピネス(Happiness)は、シンプルに幸せや満ち足りた状態を指しますが、ウェルビーイング(Well-being)は持続的な幸せを表しています。

初めて言及されたのは、1946に設立された世界保健機関(WHO)の憲章です。「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます」といった内容が英文で記載されています。

幸せという概念は抽象的ですが、ウェルビーイング(Well-being)を明確にするきっかけになったのが、ポジティブ心理学を提唱したセリングマン氏のウェルビーイング理論です。Positive Emotion(ポジティブな感情)、Engagement(エンゲージメント、没頭)、Relationship(ポジティブな人間関係)、Meaning and Purpose(意味や目的)、Achievement/ Accomplish(達成)を幸福を構成する5つの柱としました。

さらに、世界幸福度報告(World Happiness Report)、GWI(Global Wellbeing Initiative)による世界160ヵ国のウェルビーイング測定、幸福の指標として登場したHPI(Happiness Planet Index)なども、ウェルビーイングの指標として登場しています。

ウェルビーイングが注目されている背景

ウェルビーイングが注目されていることには、さまざまな背景があります。背景を理解することは、ウェルビーイングを正しく知ることにつながるでしょう。ここでは、5つの背景について、一つひとつ解説していきます。

  • 働き方の変化
  • 人材不足の常態化
  • 多様性を重視する世の中の流れ
  • コロナ禍での健康意識の高まり
  • 海外を中心に動きが活発になっている

働き方の変化

近年、働き方は多様化しています。出社するのが基本という時代は終わり、サテライトオフィス勤務やテレワークなどの働き方が一般的になったり、ライフスタイルに合わせて出社したりできるようになったのが現状です。

働き方の多様な選択肢がある中で、仕事や私生活をいかに充実させるかという点で、ウェルビーイングが注目されています。

人材不足の常態化

少子高齢化によって労働人口の減少が顕著になり、企業の人材不足が常態化しています。それに伴って働き方や価値観の多様化が目立つようになり、限られた人材が流動的になったこ状況を深刻にしている原因です。

自社の人材を確保するためには、従業員やその家族のウェルビーイングを実現することが重要視されるようになっています。満足度や帰属意識を高めることによって、リテンションを図っている企業が多いです。

多様性を重視する世の中の流れ

「多様性」「ダイバーシティ」という言葉を聞く機会が増え、多様性を認めることが大切になっています。企業においては、国籍や性別、文化などの背景に関わらず、さまざまな人が働ける環境づくりが重要です。

パーソナリティが認められることは、従業員それぞれのウェルビーイングに欠かせないことです。多様性を実現した経営を目指す一つの取り組みとして、ウェルビーイングが重要視されています。

コロナ禍での健康意識の高まり

新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、社会や仕事、生活などが大きく変わりました。幸せとは何かを考える機会となり、ウェルビーイングに注目が集まりました。

これにより、身体や精神面の健康を維持しながら働くこと、前向きな精神状態で仕事をできることなどを考える人材が増えています。従業員の思いを叶えることは、企業にとって人材の定着などにつながるため、企業単位でもウェルビーイングは注目のトピックです。

海外を中心に動きが活発になっている

海外では、さまざまな機会でウェルビーイングに言及されています。2021年に開催された世界経済フォーラム2021、経済協力開発機構による教育2030、SDGsの目標の一つ「GOOD HEALTH AND WELL-BEING」などが主な動きです。

海外での注目の集まりを受けて、日本でも自民党による「日本Well-being計画推進プロジェクト」、パナソニックによる研究の場「Aug Lab」など、政府や企業が積極的に動いています。

ビジネスにおけるウェルビーイング

ビジネスにおけるウェルビーイングは、以下の5つに分けて考えられています。

  • キャリアウェルビーイング
  • ソーシャルウェルビーイング
  • フィナンシャルウェルビーイング
  • フィジカルウェルビーイング
  • コミュニティウェルビーイング

それぞれのウェルビーイングについて、内容を詳しく見ていきましょう。

キャリアウェルビーイング

キャリアウェルビーイングにおけるキャリアには、仕事だけではなく、家事や育児、勉強、ボランティアなども含まれています。人生を一つのキャリアと捉え、仕事や私生活の充実・幸福を対象とするウェルビーイングです。ビジネスにおいては、仕事と私生活を両立できているワークライフバランスの実現を指す場合があります。

ソーシャルウェルビーイング

ソーシャルウェルビーイングは、人間関係に関するウェルビーイングです。たくさんの仕事仲間や友人がいるというだけではなく、信頼関係の深さといった質も評価の対象になります。職場で良好な関係を築いていたり、信頼できる上司がいたりする場合は、ソーシャルウェルビーイングが優れていると言えるのではないでしょうか。

フィナンシャルウェルビーイング

フィナンシャルウェルビーイングは、経済的な幸せのことを指します。ビジネスにおけるお金は、主に報酬です。現在報酬を得る手段があるか、働きに見合った報酬を得られているかなどが含まれます。自分自身の資産を管理できているかどうかも、フィナンシャルウェルビーイングに該当します。

フィジカルウェルビーイング

フィジカルウェルビーイングとは、身体的な幸せのことで、健康やエネルギーに関わるものです。毎日元気に働ける健康な身体があること、体力があること、精神面が充実していることなどが、フィジカルウェルビーイングと捉えて良いでしょう。

コミュニティウェルビーイング

コミュニティウェルビーイングとは、地域社会における幸福です。仕事においては、会社や部署など、働いている環境に関する幸せと言えます。一般的には、家族や親戚、友人、職場、学校などにおける幸福も含まれます。

企業がウェルビーイングを実践するメリット

企業にとって、ウェルビーイングは非常に重要な概念です。従業員や顧客、取引先などに対して、さまざまな良い影響を与えられるようになります。ここでは、ウェルビーイングを実践する3つのメリットをチェックしていきましょう。

  • 従業員の満足度アップ
  • 優秀な人材の獲得・確保
  • 生産性の向上

従業員の満足度アップ

ウェルビーイングに配慮した経営は、従業員のやりがいや健康を実現しやすくなります。仕事に誇りを持って働けること、希望に合った働き方を尊重してくれること、健康を維持できることなどは、従業員の満足度アップに効果的です。

具体的には、柔軟な働き方の推奨、福利厚生の充実など、健康経営の推進の一端を担うことになるでしょう。

優秀な人材の獲得・確保

ウェルビーイングの数値が高い人材は、それだけ将来にわたる幸せを感じていることになります。当然ながら、ストレスを感じていたり、不満を抱えていたりする人材よりも、企業に定着する可能性が高いです。

優秀な人材はより良い環境を求める傾向がありますが、ウェルビーイングを高めることによって、人材の確保につながっていきます。また、幸福を感じながら働けるという評判が広まれば、優れた人材が集まる企業になる可能性も秘めています。

生産性の向上

従業員がやりがいを感じていたり、健康な身体で働いていたりする状態は、ウェルビーイングが低い企業よりも生産性の向上を望めます。

モチベーションを維持しやすく、企業の一員としてビジョンや目標の達成に向けて、効果的な働きを期待できるのではないでしょうか。ハイパフォーマンスを期待できる人材が増えれば、業績の向上、企業価値・イメージのアップなど、さまざまな副産物を得られるはずです。

ウェルビーイングの取り組み事例

ウェルビーイングを推進する企業は世界中にあります。ここでは、日本の企業での取り組み事例を見ていきましょう。

味の素株式会社

味の素株式会社では、「味の素グループで働いていると、自然に健康になる!!」を掲げ、グループポリシーには「社員のこころとからだの健康を維持・増進できる職場環境づくり」に努めることが明記されています。

健康に関するポータルサイト「My health」、健康管理アプリ「カロママプラス」など、ITを活用したウェルビーイングの取り組みが特徴です。

キヤノン株式会社

キヤノン株式会社では、創業当初から健康第一主義を掲げています。禁煙対策や睡眠改善対策などを時代や実態に合わせて実施するなど、継続して健康経営を推進している企業です。

健康経営優良法人、健康経営銘柄にも認定されており、健康を重点課題としてウェルビーイングの向上に取り組んでいます。

株式会社イトーキ

株式会社イトーキでは、ウェルビーイングを可視化するために独自の調査を行っています。社員満足度調査や「はたらきかた検診」などで、ウェルビーイングを明らかにしているのが特徴です。

その他にも、本社オフィスの設計にウェルビーイングの観点を取り入れ、高集中エリアや個室ブースなどで生産性の向上を目指しています。

株式会社デンソー

株式会社デンソーは、社員の健康増進を中心にウェルビーイングを意識した取り組みを推進しています。職場ごとに健康リーダーを配置し、従業員の健康をサポートしているのが特徴です。

また、生活習慣スコアによる健康状態のフィードバック、非喫煙者率の向上に向けた活動、復職支援制度など、健康に配慮したウェルビーイング施策を実施しています。

株式会社ローソン

株式会社ローソンでは、従業員だけではなく、その家族を含めた健康経営を宣言しています。健康白書の作成、労働安全衛生の徹底など体制を整えるところから、力を入れています。

健康診断の結果をKPIに含めたり、年に2回健康増進期間「元気チャレンジ」を実施したりするなど、中長期的な視点でウェルビーイングの実現に取り組んでいるのが特色です。

まとめ

ウェルビーイングは、海外でのさまざまな言及、働き方や価値観の多様化などをきっかけに、近年注目されている概念です。

ウェルビーイングを高めることによって、従業員満足度の向上、人材の確保・採用、生産性アップなど、さまざまな効果を期待できます。日本の企業でも実践が進んでいるので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

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