フリーアドレスデスクの選び方|7つのポイントと導入時の注意点
こんにちは。社内コミュニケーションツール「Talknote」Magazineチームです。
テレワークや在宅勤務など多様な働き方が進む中で、オフィスをフリーアドレスにする企業が増えています。
自社オフィスをフリーアドレスにすることを検討している経営者や総務担当者の方の中には
- フリーアドレスデスクは何を基準に選べば良いかわからない
- フリーアドレス制の良さをしっかりと活かせるデスクとはどういうものか
- 導入を成功させる方法を知りたい
と思っている人がいるかもしれません。
この記事では、フリーアドレスデスクの選び方のポイントと導入時の注意点などを、導入企業の事例とあわせてご紹介します。
これからフリーアドレスデスクを設置しようと考えている方に役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
フリーアドレスデスクとはどのようなデスク?
席を固定せず、空いたところに自由に座って仕事をするフリーアドレスのオフィスでは
大型天板のフリーアドレスデスクを設置して複数人が利用しています。
メーカーからは、利用目的によって様々な形状や大きさ、デザイン、価格や素材のフリーアドレスデスクが販売されています。最近ではおしゃれなオフィス家具がシリーズとして人気です。
自社で導入する際には、どういった使い方をするのかをしっかり考えて選ぶようにするといいでしょう。
フリーアドレスデスクを導入するメリット3つ
自社の快適なオフィスづくりに、フリーアドレスデスクを使用するメリットを3つご紹介します。
- 社員のエンゲージメントの向上
- デスクの整理整頓の促進
- オフィス空間の有効活用
1. 社員のエンゲージメントの向上
従来のオフィスで、常に同じ場所で仕事をしていると、話し相手も固定化されて、いつも同じ相手と同じような話をすることになり発想もマンネリ化してきます。
空いている席に自由に座れるようになると、作業内容で場所を変えることで気分をリフレッシュする効果があり、いつものメンバーではなく他部署の人との会話をする機会も増えてコミュニケーションが活性化するでしょう。
打ち合わせスペースで、リラックスしながら話をするといったオフィスの使い方ができるため、従業員が気持ちよく仕事ができるようになり、モチベーションが上がります。
2.デスクの整理整頓の促進
フリーアドレスのオフィスでは、退社時にはデスクの上の私物や資料は全て片付けてから業務を終了しなければなりません。
従来の固定席のデスクでは、私物や資料が置きっぱなしになっているオフィス風景が見られましたが、フリーアドレスを導入すると、デスクの整理整頓が促進されます。
大事な書類が紛失したり、勝手に持ち出されるといったセキュリティ面のリスクも軽減されます。
3.オフィス空間の有効活用
フリーアドレスを導入することでオフィス空間が有効に活用されるようになります。
業務によっては、日中は打ち合わせや商談でほとんど社内にいない部署やテレワークが進み在宅で仕事をする社員が多い部署などでは、人数分のデスクを常に用意しておく必要がありません。
空いた空間を、打ち合わせスペースやリラックスコーナーなどとして利用できるようになります。
フリーアドレスデスクのタイプは4種類
フリーアドレスデスクのタイプには4種類があります。それぞれどのように使われるのかを解説します。
- 対面タイプデスク
- 片面タイプデスク
- 円形タイプデスク
- スタンディングタイプデスク
1.対面タイプデスク
一般的なオフィスのレイアウトでよく使われるのが対面タイプのデスクです。大きさによって4人用から10人用のものがあります。
対面タイプは、一般的なデスクワークや事務作業以外にも、打ち合わせや会議にも利用できます。
連結ができるタイプは、人数や目的に合わせて簡単にレイアウトを変えられ非常に便利です。
2.片面タイプデスク
片面タイプデスクは、オフィス内で集中して作業したい場合に適しています。他の社員と目を合わさず、壁に向かって作業する、個人用のテーブルです。
業務内容によっては、片面タイプデスクも用意しておくといいでしょう。
3.円形タイプデスク
円形タイプのフリーアドレスデスクは、対面タイプデスクよりも同席する人の顔が見やすく、コミュニケーションが活性化します。そのため打ち合わせなどの目的に適しています。
ただし一人当たりの作業スペースは対面タイプのデスクより狭くなる傾向があります。
4.スタンディングタイプデスク
スタンディングタイプのデスクは、集中して作業でき、リフレッシュの効果もあります。また、長時間同じ姿勢で座ったままでいることは、健康にも影響するといわれており、健康維持の効果もあります。
高さが変えられる昇降機能付きであれば、スタンディングと通常の座り仕事と兼用できるでしょう。
フリーアドレスデスク導入時のポイント4つ
フリーアドレスデスクを導入する際には、様々なことをしっかり検討しておく必要があります。そのとき頭に入れておくべき4つのポイントについて解説します。
- 利用人数を考える
- 一人当たりのスペースを考慮する
- オフィスの広さや形に合わせて選ぶ
- 目的に応じてデスクの種類を選ぶ
1.利用人数を考える
フリーアドレスデスクを導入する際には、まず座席数を何人分用意するかを考えなければなりません。座席数によって、デスクの数や大きさ、レイアウトなどが変わってきますのでしっかりと検討するようにしましょう。
営業職のように、日中は外出している社員が多い部署や、現場作業が多い部署は、座席数をやや少なめにして、管理部門や企画など社内にいることが多い部署では多めに設定するなど事前に調べて最適な席数を考えましょう。
また出勤時間がフレックス制になっていたり、リモートワークを導入している職場では、働き方の違いも頭に入れておく必要があります。
2.一人当たりのスペースを考慮する
一般的にオフィスの一人当たりのスペースは、幅1~1.2mと言われています。狭すぎると、作業効率が落ち、従業員もストレスを感じるようになって満足度が低下します。
逆に広く設定しすぎると、無駄なスペースが生じる可能性があります。
一人当たりのスペースを考える際には、どういったスタイルでオフィスを利用しているのかも頭に入れて考えていくといいでしょう。
3.オフィスの広さや形に合わせて選ぶ
席数と一人当たりのスペースを考慮しながら、オフィスの広さや形状に合わせてうまく収まるようにデスクやレイアウトを考えていきます。
デスクは同じタイプのものばかりでなく、利用シーンを考えて対面タイプ、片面タイプ、円形タイプなどを組み合わせて検討するといいでしょう。
4.目的に応じてデスクの種類を選ぶ
オフィス利用の目的や業務内容、業務スタイルによって導入するデスクの種類を選んでいきましょう。
企画系の仕事がメインであればコミュニケーションを活性化させるため円形や対面タイプのデスクを取り入れるのが適していますし、プログラミングや書類作成など集中力を要する仕事がメインであれば片面タイプのデスクを選ぶほうがいいでしょう。集中力と健康面まで考慮するのであれば、スタンディングタイプを選ぶことがおすすめです。
目的によってデスク選びは変わってきますので、どのような目的で現在オフィスを利用しているかリサーチしたり、従業員の希望を聞くなどの準備をしておくことが大切です。
フリーアドレス導入の際の注意点
フリーアドレスを導入する際には、どのような点に注意すればいいでしょうか。
書類などの情報を整理しやすい環境を整える
フリーアドレスには「固定席」がないため、自分が担当する書類や報告書を、移動のたびに持ち歩かなくてはなりません。いつでも・どこでも働ける一方で、重要書類などを紛失してしまい、かえって非効率になるケースも考えられます。
対策として、フリーアドレスの導入にあわせて「ペーパーレス化」を進めるのがオススメです。紙媒体のデータをすべてクラウド上に保管しておけば、PCやスマートフォンだけでいつでも業務内容を確認できます。
加えて、書類を保管しておく棚のスペースも必要なくなり、オフィス全体がスッキリするでしょう。
毎日同じ席で仕事をしないように注意する
フリーアドレスを導入したのにもかかわらず、社員が毎日同じ席で仕事をしてしまうケースも多いです。そもそも、フリーアドレスを導入する目的がないと、社員もどのように働いていいかわからず、結局従来の働き方に落ち着いてしまいます。
席が固定されてしまうだけでなく、同じ部署同士で行動してしまい、社内コミュニケーションも活発になりません。
対策としては、「なぜフリーアドレスを導入するのか?」という目的を明確にすることが大切です。また、目的を定めるだけでなく、社員全員に共有し、浸透させる必要があるでしょう。
ただ、いきなり目的を全社的に浸透させようとしても、なかなかフリーアドレスは根付かないため、「あみだくじ」「くじ引き」などをおこない、強制的に席を移動してもらうのもひとつの方法です。ゲーム的な要素を取り入れて、徐々にフリーアドレスを定着させましょう。
フリーアドレスの成功事例7選
それでは、実際のフリーアドレスの成功事例を見ていきましょう。
【事例1】キユーピー株式会社
キユーピー株式会社は、「おいしさ・やさしさ・ユニークさ をもって世界の食と健康に貢献する」というビジョンのもと、マヨネーズやドレッシングなどの製造をおこなっています。
フリーアドレスは、営業やコンサル部門などの部署で導入するのが一般的ですが、同社では「工場間接部門」でも実施しています。
全国各地に工場をもつキユーピー。仙川工場では、5つの部署をひとつにし、社員に対して「無線LAN」と「ノートPC」を配布。自由席での業務を促進しているといいます。
【ポイント・効果】
- 新たな視点からのアイデアが生まれるようになった
- ペーパーレス化が進む、業務効率が大幅にアップした
- 席を自由にしたことで、業務コストが大幅に下がった
商品の生産を手がける部門でフリーアドレスを導入したことで、業務効率のアップはもちろん、新たなアイデアが生まれるようになった事例です。
【参照】 工場の間接部門でフリーアドレス導入進む、トヨタ流業務改善の一環として自発的に現場が導入/日経クロステック(xTECH)
【事例2】日本航空株式会社(JAL)
日本航空株式会社は、「JAL」の愛称で親しまれ、航空運送事業をメインにパッケージ旅行の販売、クレジットカード事業をおこなう会社です。
2015年にフリーアドレスを導入した同社。同社におけるフリーアドレスは「調達部門」が主導。「人・モノを滞留させない」という方針に基づき、今では管理から企画まで12以上の部門で実施しているといいます。
【ポイント・効果】
- ワークスペースの他に、ガラス張りの会議室、集中用のソロデスク、4人用デスクなどさまざまなスペースを用意した
- 社員同士の情報共有が活発になり、それぞれの進捗や担務が「見える化」された
- 社員の生産性が上がり、残業時間が月5時間程度に
フリーアドレスによって、社内コミュニケーションが活性化され、社員の生産性が上がった事例といえるでしょう。
【参照】 文春オンライン | JAL「フリーアドレス」オフィスで、マネジメントが変わった
【事例3】株式会社内田洋行
株式会社内田洋行は、ECOソリューションやITインフラ構築、クラウド導入支援などの事業をおこなっている会社です。コーポレートビジョンは「情報の価値化と知の協創をデザインする」。
同社では、フリーアドレスを「躍動的な組織を実現するための装置」と捉え、社員がのびのびと働けるオフィス環境を整備。ネットワーク設計やコミュニケーションインフラを見直すことで、社員がいつでも・どこでも、ストレスなく働けるよう、さまざまな工夫がなされています。
【ポイント・効果】
- 社員の行動の自由を担保するため、全館に「無線LAN」を導入した
- 業務効率化の促進、電源と電話線をクリアにするため、タブレットPCやスマートフォンを導入し「モバイル化」を進めた
- 在籍管理やスケジュール管理、会議室予約などの業務システム管理をモバイル化させ、コミュニケーションインフラの整備を実施
社員の「業務の非効率に対するストレス」を最大限排除するために、オフィス環境の整備を徹底している事例といえるでしょう。
【参照】 内田洋行 | フリーアドレス2.0 成功のポイント
【事例4】ヤフー株式会社
ヤフー株式会社は、ポータルサイト「Yahoo!JAPAN」をはじめ、広告事業やeコマース事業など、幅広い事業を手がける会社です。
同社では、以前まで「スマホはどこにいても使えるのに、自分たち自身は固定的な働き方をしてしまっている」というギャップを感じる社員が多かったそう。新しいサービスを創り出しイノベーションを起こすためには、多くの人との交流による「新たなアイデア発掘」が重要だと考え、その手段としてフリーアドレスを導入することに。
【ポイント・効果】
- 「今日の仕事ならこの部屋、明日ならこの部屋」というように、自分の業務内容に合ったフロアへの移動ができるようになった
- 別部署のメンバーが一緒に働くシーンが増え、社内コミュニケーションが円滑になった
- 打ち合わせをしたい相手のところにすぐ移動できるため、「スケジュールを合わせる」という無駄が省けるようになった
フリーアドレスの導入によって、各社員のスケジュール管理が主体的になり、業務効率アップや社内コミュニケーションが円滑になった事例です。
【参照】 officee magazine | 「実際、フリーアドレスってどうなの?」ヤフーで働く人は知の声を聞いてみた
【事例5】パーソルキャリア株式会社
パーソルキャリア株式会社は、「はたらいて、笑おう。」というグループビジョンのもと、転職支援や求人情報、アウトソーシングなどの事業をおこなう会社です。
2018年から、グループごとにフリーアドレスを導入している同社。本社機能を「南青山オフィス」に移転集約し、フリーアドレスをはじめ「ワークスタイルをオフィスから変革させる取り組み」を多数実施しています。
【ポイント・効果】
- 社長室の前にフリーアドレス席を設けることで、社員と経営陣とのコミュニケーション活性化を促進した
- 新規ビジネスの立ち上げや運用を円滑にするため、チームを組織しやすい「可動式デスク」を設置
- 社員の要望を反映しながら進化する「コミュニケーションダイニング」、瞑想や仮眠ができる「サイレントエリア」の設置
「社員にとって居心地のよいオフィス」をつくるために、フリーアドレスをはじめとするオフィス環境の整備を徹底している事例といえるでしょう。
【参照】 パーソルキャリア | 新社屋オープン!「はたらいて、笑おう。」を目指してワークスタイル変革に挑戦
【事例6】カルビー株式会社
カルビー株式会社は、スナック菓子をメインに製造・販売する日本の菓子メーカーです。その他にも、シリアル食品やポタージュといった商品も製造・販売しています。
フリーアドレスを導入する = 社風やルールを変えなければならない、とも捉えられるため、大企業になるほど導入が難しいといわれています。しかし、カルビーは2009年「個室の中に閉じこもっていても良いものは生まれない」と考え、大企業でありながらもフリーアドレス導入を決意。
【ポイント・効果】
- 社員の動きがより流動的になったことで、必然的に社内コミュニケーション力が活発になった
- 「NO ミーティング、NO メモ」という標語をつくり、ペーパーレス化を促進した
- 4人席でコミュニケーションを円滑にする「コミュニケーション席」を設置
標語を作ったり、社内コミュニケーションが円滑になるような席を設けたりすることで、大企業ながらもフリーアドレスが徐々に根付いた事例といえるでしょう。
【参照】 まもりの種 | フリーアドレス制から働き方改革へ。オフィス改革を進めるカルビーの思想
【事例7】ダイヤオフィスシステム株式会社
ダイヤオフィスシステム株式会社は、「働く人が輝けるオフィスを。」という使命のもと、オフィスの設計やデザイン、働き方に関するコンサルティングをおこなう会社です。
同社では、働き方改革の一環としてフリーアドレスを導入。オフィス空間のデザイン事業をおこなう同社のフリーアドレスは、「オフィスの居心地」「見栄えの良さ」が特徴です。
【ポイント・効果】
- オフィス空間のデザイン事業をおこなう同社では、一般的なPCデスクだけでなく、下記のような多様なタイプの座席を用意。
- 集中ブース席やカウンター席、ファミレス席など、場面に合わせた座席を設けた
- さまざまなメーカーの家具を置くことで、実際に自分たちが使った感想をお客様に伝えられるようになった
デスクや椅子の種類、配置にこだわったことで「社員にとって居心地の良いオフィス」を実現。その結果、社員同士の「横のつながり」も円滑になったといいます。
【参照】 働き方改革 事例集 | ダイヤオフィスシステム株式会社の働き方改革事例
フリーアドレスを最大限活かすには
フリーアドレスを最大限に活かすには以下の要素が必要です。
まず、フリーアドレスを導入する「目的」をしっかりと持つことです。目的がしっかりしていないまま流行りに乗って導入したところで、社員は対応できません。
「社員の生産性を上げたい」「社内コミュニケーションを円滑にしたい」など明確な目的をもった上でフリーアドレスを導入しましょう。
フリーアドレスに対応するためには、ペーパーレス化も同時に進めておくといいでしょう。業務効率を上げつつ、社内コミュニケーションの円滑化にも役立ちます。
また、「社員にとって居心地の良いオフィス」であることも大切です。殺伐とした雰囲気のオフィスでは、フリーアドレスにしたところで社員も働きにくいでしょう。少しでも気持ちよく働ける空間にするため、デスクや椅子、空間のデザインにこだわってみてはいかがでしょうか。
ペーパーレス化で業務効率を上げるなら「Talknote」
Talknoteは、情報共有やデータの蓄積によって組織運営をサポートする情報共有プラットフォームです。
「ノート」機能を用いて情報を一元管理することでどこからでも情報にアクセスできるようになり、フリーアドレスを導入してもスムーズに仕事ができるようになります。
また場所や時間に関係なく社内と同様に働けるようになるため、リモートワークや在宅勤務の促進や、社員が時間を有効活用できるようになります。
「メッセージ」機能では、メールのような形式ではなく、対面で会話しているようになっているため、気軽に発信しやすくなり、コミュニケーションが活性化します。
Talknoteを活用してペーパーレス化を進めながらフリーアドレスを導入することによって、業務効率が大きく向上するでしょう。
まとめ
フリーアドレスデスクの導入によって、従業員がリフレッシュしやすくなり働きやすい職場となっていきます。また社内のコミュニケーションも活性化され、新たなアイデアや改善が進み、生産性の向上につながる可能性があります。
フリーアドレス導入と同時にTalknoteなどを活用したペーパーレス化を進めることでさらに大きなメリットを得られるでしょう。ぜひ御社でもご検討ください。