事業戦略に効果的なリソースアロケーションを徹底解説 | Talknote Magazine

事業戦略に効果的なリソースアロケーションを徹底解説

企業を経営するためには、人やお金などリソースと呼ばれる経営資源を活用する必要があります。十分にリソースがあっても、適切に活用できなければ、経営を円滑に進めることは難しいでしょう。そこで大切になってくるのが、リソースアロケーションです。

この記事では、リソースアロケーションの概要や種類、進め方などを解説します。リソースの種類にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

リソースアロケーションとは?

リソースアロケーションとは、「資源」「資産」といった意味を持つリソース(Resource)、「割り当て」「配分」などを意味するアロケーション(allocation)を組み合わせた言葉です。ビジネスシーンでは、経営資源を配分することをリソースアロケーションと言います。

企業には、様々なリソースがあり、事業や部署などに適切に配分しなければいけません。単純に均等に分配すればよいというわけではなく、注力する部分に集中させるといった工夫も必要です。

業務や事業に対して、自社のリソースが足りているのか不足しているのかも把握する必要があります。リソースが足りていれば適切に割り当てることで、業務を円滑に進めることが可能です。余っている状態なら、新たな取り組みを始められるかもしれません。不足している場合は、リソースの確保が必要です。既存のリソースを細分化したり、外部から獲得したりするなど、様々な方法で確保する必要があります。

リソースアロケーションの対象になる経営資源は、いくつかの種類に分けられます。どのようなリソースがあるのかを把握していきましょう。

リソースの種類をおさらい

企業経営におけるリソースの種類は、以下の通りです。

  • ヒト
  • モノ
  • カネ
  • 情報
  • 時間
  • 知的財産

リソースの中でも最も重要なのがヒトです。ヒトがいてこそ、モノやカネ、情報を活用でき、他のリソースが十分でもヒトが不足していれば企業は機能しません。ヒトには、考える力や自ら行動する力があり、新たなアイデアを生み出すことができます。自らの意志があるため、その他のリソースとは違って、完全に管理することはできず、働きかけ次第で良くも悪くも成果に大きな影響を与えます。

モノは物理リソースとも言われ、オフィスや設備、物品などが具体的な例です。モノがあることでヒトが働くことができ、モノによって生み出したものがカネに変わっていきます。

カネは、経営に関わる費用全般です。賃金や備品購入費、オフィス使用料、株式、債権など、お金に関わるリソースを指します。カネがあることで、ヒトやモノを揃えられ、適切に配分すれば事業の拡大なども可能です。

情報とは、社員の個人情報やノウハウ、顧客情報、市場データなど目には見えないリソースのことを指します。時間は仕事に充てられる時間、知的財産は特許や商号、権利といったリソースです。

経営戦略に重要なリソースアロケーション

経営戦略において、リソースアロケーションは非常に重要な手法です。企業が持っているリソースはそれぞれ異なりますが、リソースをどこに、どのくらい割り当てるかによって、どの企業にも発展するチャンスがあります。

例えば、A社とB社が同じだけのカネのリソースを持っていたとしましょう。A社は人材獲得に費用をかけ、B社は最新設備にお金を使ったなら、それだけでも結果は変わります。A社は人材が揃ったことで業務効率が上がることもあれば、設備投資ができずにヒトを持て余してしまうかもしれません。B社についても、最新設備で商品の幅が増える、ヒトが足りず最大限に活用できないなどといったことが起こる可能性があります。

リソースアロケーションは経営における腕の見せ所と言えるのではないでしょうか。自社が持つリソースを適切に配分することで、期待以上の成果が出ることもあります。時代の変化に合ったプロジェクトにリソースを集中させる、将来を見据えて人材育成に力を注ぐなど、社会の変化やビジョンなどを踏まえた割り当てによって、効果的な経営戦略を実現できるでしょう。

ビジネスにおけるリソースアロケーションの種類

ビジネスにおけるリソースアロケーションは、リソースの種類に対応させて行います。ヒト、モノ、カネ、情報、時間、知的財産というそれぞれのリソースに対して、適切なマネジメントを行うことが大切です。

ヒトに対するリソースアロケーション

ヒトに対しては、自社に必要な人材を採用したり、適切な人材配置を考えたり、人材のスキルを育成したり、心身に配慮したりすることがアロケーションと言えるでしょう。リソースの補充や確保、配分に注意することが求められます。

モノに対するリソースアロケーション

モノについては、必要なものを購入する、使用しているものを手入れするなどがリソースアロケーションのひとつです。不足していたものが導入されたり、既存のシステムがアップデートされたりすれば、業務効率が上がるでしょう。必ずしも所有する必要はなく、カネを考慮してレンタルを選択することも有効な手段です。

カネに対するリソースアロケーション

カネは、経営に欠かせないリソースであり、資金の確保と配分が必要です。資金を捻出するためには、利益に対する運営資金の見直し、融資の利用などが必要になります。

使用できるカネは、ヒト、モノなど適切な部分に必要なだけ割り当てることが大切です。直感や勢いではなく、配分箇所や額を慎重に考慮しリソースアロケーションを行いましょう。

情報に対するリソースアロケーション

企業には、様々な情報が蓄積されています。蓄積されている情報をどのように活用するかがリソースアロケーションです。顧客情報をマーケティングに活用したり、データからターゲットを絞り込んだりするなど、活用方法は多くあります。

また、情報を誰でも使いやすくすることも大切です。データを一元管理する、抽出しやすくするなど、データ整理もリソースアロケーションの一環と言えます。

時間に対するリソースアロケーション

人間に与えられた時間は平等で、企業が使える時間は限られています。決められた時間で成果を出すためには、時間のリソースを適切に配分しなければいけません。

優先的に取り組むタスクに業務時間を割り当てる、進捗が思わしくない箇所に人員を増やす、無駄を省いて時間を増やすなど、時間の使い方に気を配る必要があります。

知的財産に対するリソースアロケーション

知的財産においては、自社で保有している財産を適切に管理することがリソースアロケーションと言えるでしょう。

特許や権利などは、自社の商品・サービスに価値を与える重要なものです。権利を確実に保護することに加えて、活用の方法を考える、新たな知的財産の取得を検討するなども、リソースアロケーションに含まれます。

リソースアロケーションの進め方

リソースアロケーションは、4つのステップで導入していきます。

  1. プロジェクトのタスクを細分化し明確にする
  2. リソースを割り当てる基準を決める
  3. リソースを適切に割り当てる
  4. リソースを調整する

ステップごとのポイントを把握して、一つひとつ確実に進めていきましょう。

プロジェクトのタスクを細分化し明確にする

経営全体、プロジェクト全体に対して、一からリソースを振り分けるのは難しく、全体像が見えにくい分失敗しやすいです。

リソースアロケーションを実施する際は、プロジェクトごとにタスクを抽出し細分化しましょう。タスクが明確になることで、必要なリソースを把握しやすくなります。

リソースを割り当てる基準を決める

必要なリソースを把握したら、タスクに対してどのようなリソースを割り当てるかを決めましょう。例えば、ヒトの配置を考える際は、スキルや経験などが基準になります。タスクの難易度や重要度に合ったヒトを配置することが大切です。

リソースを適切に割り当てる

リソース割り当ての基準に沿って、自社のリソースを配分していきましょう。ヒトの配置を実施するのが基本ですが、必要に応じてモノやカネ、時間なども割り当てます。

リソースを調整する

リソースを割り当ててから、余ることや足りないことなど課題が見えてきます。余ったリソースは他の部分に移動させ、足りないリソースは補充が必要です。状況に応じて、ヒトやモノ、カネ、時間などを調整していきましょう。

リソースアロケーションの予測と改善

リソースアロケーションを実施するためには、予測と改善が必要になります。リソースを一度割り当てると、改善が必要になったときに元に戻すことは簡単ではありません。課題が見えたときに改善は必要ですが、最善の割り当てができるように事前の予測が非常に重要です。

割り当てるヒトやカネ、モノ、時間に対して、どのくらいの成果を期待できるかを予測しましょう。ヒトが足りないかもしれない、カネを割り当てすぎかもしれないなど懸念点が出てきたら、リソースアロケーションの修正を行います。

十分な予測をしても、ヒトの動きや顧客の反応などによって、当初とは異なる結果になることも多いです。その場合は、結果とリソース配分を照らし合わせ、足りていない部分と余っている部分を調整しましょう。ヒトやカネを補充する、時間を確保するといった調整で、目標に近づくことができます。

予測と改善は、リソースアロケーションを始めるときだけではなく、絶えず行うことが大切です。こまかな予測と改善を繰り返すことで、ベストな割り当てが見つかるでしょう。

まとめ

リソースアロケーションは経営戦略や事業戦略において重要な手法です。自社のリソースを適切に割り当て・配分することによって、成果を最大化できる可能性があります。リソースの種類に合わせたマネジメントを実施することで、より効果的な割り当てが可能です。

また、実施する際は必ず予測を行い、こまめな結果測定と改善を繰り返しましょう。どのような割り当てにも正解はないので、予測と改善を繰り返してベターな方法を見つけることが大切です。まずは自社のリソースを把握し、適切なリソースアロケーションに取り組みましょう。

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