リブランディングとは?実施するタイミングやその手法を徹底解説 | Talknote Magazine

リブランディングとは?実施するタイミングやその手法を徹底解説

企業やブランドには、唯一無二の価値をつくる必要がありますが、一度設定した価値が現状や社会からズレてくることもあります。そこで必要になるのがリブランディングです。ブランド価値を見直すことによって、企業イメージを変えることができます。

この記事では、リブランディングについて、メリットやタイミング、実施するステップ、事例まで詳しく解説していきます。

リブランディングとは?

リブランディングとは、ブランド価値を高める取り組みのことを指し、それに「再度」という意味がある「Re」を付け加えたものを言います。

ブランディングし直す、ブランド価値を再検討するといった意味があり、社内や顧客、求職者、ステークホルダーが、会社に持つ印象を変えるために行う取り組み・施策です。

企業を取り巻く環境は日々変化し、時代やトレンドなど外的要因はもちろん、経営者の交代や事業内容の変化など内的要因によっても変わっていきます。そのため、当初のブランディングが永久に続くわけではなく、変化に対応することが大切です。

とりわけ、現代は変化のスピードが上がっており、新しい価値観や考え方が次々に登場しています。現在のブランディングに固執することなく、変化を柔軟に受け止め、対応する方法の一つとしてリブランディングが注目されているのです。

リブランディングを行うメリット

リブランディングのメリットの一つは、様々な変化に対応できることです。100年以上の歴史がある企業の場合、これまでと現在では顧客の価値観や社会の仕組みが変化しており、時代に合わせて対応する必要があるでしょう。
グローバルな社会に対応するためにブランドロゴに英語を入れる、商品のビジュアル面を重視するなど、時代に合った転換によって、現代でも受け入れられるブランドを再定義できます。

2つ目のメリットは、一からブランディングするよりもコストを抑えられる点です。ブランドを育てるためには資金や労力がかかりますが、リブランディングでは既存のブランドを生かすことも多く、積み上げを無駄にすることなく、新しいブランド価値を創造できます。

3つ目のメリットは、新規顧客の獲得を期待できる点です。新たなブランド価値を構築することで、既存のブランドではアプローチできなかった顧客をターゲットにできます。時代やトレンドに合ったブランドであれば、新規顧客はもちろん、離れていった層の再獲得も期待できるでしょう。

リブランディングのタイミング

リブランディングを実施するタイミングは、以下のようになっています。

  • 経営者が代わったとき
  • 事業が大きく変わるとき
  • 顧客の声とビジョンがずれているとわかったとき
  • ビジネス環境が変わったとき
  • トレンド・時代に合っていないとき

大きな変化があったときや、トレンドや市場とズレがあるときなどにリブランディングを行うケースが多いです。自社でのタイミングをイメージしながら、それぞれチェックしていきましょう。

経営者が代わったとき

経営者が代わったタイミングは、リブランディングを始めやすい時期です。経営者によってビジョンが異なるため、先代の経営者と全く同じ考え方でブランディングを行うのは難しいケースがあります。

世代交代などで経営者になったタイミングであれば、自身のビジョンで時流に合ったブランディングに転換しやすいです。これまでの体制から脱却したこと、新たな取り組みを始めることは、先進的なチャレンジをしている企業というイメージにもつながります。

事業が大きく変わるとき

創業当初と事業が大きく変わるときは、構築してきたブランド価値と現在の事業にズレが生まれることがあります。

リブランディングを行わなかった場合、これまでのイメージとのギャップによって顧客が離れる可能性があるので、なるべく早く転換すると良いでしょう。

とはいえ、これまでのブランド価値に共感している顧客やステークホルダーもいます。まったくのゼロから構築するのではなく、培ってきたイメージを生かしながら再構築するのがポイントです。

顧客の声とビジョンがずれているとわかったとき

商品・サービスを広く届けるためには、顧客との信頼関係が重要です。顧客アンケートの結果や売上の推移などから、ブランドイメージが合っていない場合にはリブランディングを検討すべきでしょう。

例えば、シンプルで上質な商品を提供しているブランドを目指しているものの、デザインに工夫がないブランドと思われていたら、ブランド価値を顧客に伝えられていません。

シンプルなデザインの中にアクセントを加えたり、素材のこだわりを押し出したりすることで、イメージを修正していく必要があります。

ビジネス環境が変わったとき

ビジネス環境が明確に変わったときも、リブランディングを検討すべきタイミングです。新しい技術が登場したり、勢いのある競合が現れたりすると、ブランド価値が相対的に下がるケースがあります。

環境の変化に合わせて細かなブラッシュアップを続けながら、明確な変化が見られたときに本格的なリブランディングに取り組むと良いでしょう。

新たな市場に参入するときも、ビジネス環境が変わるタイミングと言えます。既存の企業と差別化するために、リブランディングの必要性が高いです。

トレンド・時代に合っていないとき

トレンドや時代の移り変わりによって、ブランド表現が現代と合わなくなることがあります。見栄えが重視されたり、グローバルな展開を求められたりしたときに、リブランディングによる軌道修正が必要です。

ブランド価値を大きく変えなくても、ブランドロゴやパッケージ、広告のデザインなどを時流に合わせるだけでも、顧客にアプローチしやすくなります。変化に応じてこまめな修正を加えれば、常に新鮮なブランドイメージを保つことができるでしょう。

リブランディングを進める3つのステップ

リブランディングを実施する際は、以下の3ステップで進めましょう。

  1. 現状を分析する
  2. リブランド案を検討・実施する
  3. リブランドを広く周知・浸透する

それぞれのステップでのポイントを詳しく解説します。

現状を分析する

まず、現在のブランドイメージが適切かを慎重に分析します。周囲のイメージとビジョンにギャップがある場合は、リブランディングが必要と判断できるでしょう。

分析の段階で、明確な課題やギャップなどが見えてこないなら、リブランディングをするべきではないこともあります。無理なリブランディングは、顧客の減少や人材の流出など様々な影響があるため、リブランディングをしないことも選択肢の一つに入れましょう。

リブランド案を検討・実施する

リブランディングの実施を決定したら、どのように転換するかを検討します。周囲にどのように思われたいかを考え、実現するためには既存のブランドと周囲にどのようなギャップがあるかを検討しましょう。

具体的な方法は多岐に渡り、社名やロゴの変更、コーポレートサイトの改修、新規事業のスタート、内部改革など様々です。ギャップを埋めるために何が必要かを明らかにした上で、より効果的なリブランド案を作成し、実行に移しましょう。

リブランドを広く周知・浸透する

リブランディングの形が固まったら、プレスリリースや社内報などで広く周知する必要があります。取引先やステークホルダーに向けて施策をアピールし、社内には経緯や具体的な取り組みを共有し、すばやく浸透させることが大切です。

いち早く新しいブランド価値が定着すれば、顧客の獲得やステークホルダーの信頼などにつながっていきます。

リブランディングの成功事例

あまり気づかないこともありますが、多くの企業がリブランディングを実施しています。特に、長い歴史を持つ企業は、時代やニーズに合わせてリブランディングすることで、確固たる地位を築いているのが特徴です。ここでは、リブランディングの成功事例を紹介します。

とらや

羊羹や最中など和菓子の老舗として有名な「とらや」は、デザインや書式を整えることによって、リブランディングを実現しました。

長い歴史の中で商品のパッケージや書式などにバラつきがあったため、商品名の書家を統一し、文字が際立つようにスッキリしたデザインに変更。ロゴのリニューアルも行い、「とらや」から「TORAYA」に変更しています。ゼロから構築し直すのではなく、時代に合わせて整えるというリブランディングは、歴史ある企業の参考になるでしょう。

祇園辻利

祇園辻利は、お茶にこだわる老舗の茶屋です。リブランディングの一環として、パッケージのリニューアルを行っています。折って箱の形にしたパッケージで、内側にお茶に関する情報を記載しているのが特徴です。

きっかけは、ペットボトルのお茶の普及によって、お茶のイメージが変わったことで、急須で入れるお茶の良さを伝えたいという思いが込められています。

湖池屋

ポテトチップスやカラムーチョなど人気のお菓子を展開してきた湖池屋は、新社長の就任をきっかけにリブランディングを行いました。

「妥協なく一番おいしいポテトチップスをつくる」というコンセプトに原点回帰し、これまでのデザインと一線を画す「KOIKEYA PRIDE POTATO」を発売。商品のヒットもあり、新しい湖池屋の取り組みが広く知られました。

株式会社メニコン

コンタクトレンズで広く知られる株式会社メニコンでは、2016年にブランドロゴやパッケージ、ホームページなどをリニューアルしました。

創業65周年の節目を迎えたタイミングに、新たなブランドコンセプトを掲げ、「NEWメニコン」を展開しています。節目のリブランディングは注目を集めやすく、顧客へのアピールに成功した事例と言えるのではないでしょうか。

まとめ

リブランディングによって、これまでのブランド価値から転換を図り、ビジネス環境やトレンドに合ったブランドイメージを再構築できます。

新規顧客の獲得、既存顧客の満足度アップ、社内の活性化、ステークホルダーの信頼など、内外への良い影響を期待できる取り組みです。

ただし、やみくもに実施すればよいわけではなく、慎重な分析が必要になります。過去には失敗した事例もあるため、リブランディングすべきかを十分に検討し、新しいブランド価値づくりに取り組んでみましょう。

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