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今注目されているダブルケアを分かりやすく解説

少子高齢化や出産年齢の高齢化などを背景に、近年ダブルケアという言葉が注目されています。ある2つのケア・お世話を同時に行うことであり、人によっては仕事や家事など、さらに負担がかかる場合があるので、問題視されているのが現状です。

この記事では、ダブルケアとは何かを押さえ、注目されている背景や問題点、対策法まで詳しく解説します。誰にでも必要が生じる可能性があるので、今直面していない方もぜひ参考にしてみてください。

ダブルケアとは

ダブルケアとは、子育てと介護を同時に行うことです。どちらも片方だけでもケアをする側に負担がかかりますが、両方を同時にこなすことはさらに大きな負担が発生します。

次の項目で詳しく触れていますが、ダブルケアが注目される背景には少子高齢化や晩婚化などがあります。子育てを始める年齢と親の介護を行う年齢が近づいたことで、ダブルケアの問題について考えられるようになりました。

内閣府の男女共同参画局が発表した「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」では、ダブルケアに直面している人口・世帯を報告しています。なお、ダブルケア人口の推計は、総務省による平成24年「就業構造基本調査」と平成25年「国民生活基礎調査」を参考にしており、「就業構造基本調査」において「育児をしている」「介護をしている」の両方に当てはまる方をダブルケアを行う者としました。

本調査では、以下の結果が報告されています。

  • 育児を行う者の推計人数:男性4,060,500人、女性5,934,700人
  • 介護を行う者の推計人数:男性2,006,300人、女性3,567,500人
  • ダブルケアを行う者の推計人数:男性85,400人、女性167,500人

国民生活基礎調査では、ダブルケアを行う世帯数を明らかにしています。

  • 育児を行う世帯:4,854,000世帯
  • 介護を行う世帯:5,753,000世帯
  • ダブルケアを行う世帯:166,000世帯

全体に占める割合はまだ低いものの、育児を行う者・世帯の対象は未就学児であり、より広い範囲で育児を捉えると、報告結果よりも多くの人・世帯がダブルケアを行っているでしょう。また、ダブルケアの背景にある問題は解決されていないため、今後さらに増える可能性があります。

ダブルケアが注目されている背景

ダブルケアは、これまでも人や家庭の事情によって必要になる場面がありました。では、近年、社会問題のひとつとして注目されているのはなぜなのでしょうか。ここでは、ダブルケアが注目されている背景を2つ解説します。

少子高齢化の進行

日本は、少子高齢化が進む国であり、年々状況は深刻になりつつあります。平成9年に65歳以上人口が0~14歳人口を上回り、平成30年には0~14歳人口の2.3倍となっているのが現状です。15~64歳人口は平成7年のピーク時から平成30年には1181万人減少しています。

介護を行う世代が減り、介護を受ける世代が増えている状態で、介護の負担が増加することが考えられます。さらに、少子化によって核家族化などの家族構成の変化が起き、兄弟姉妹が少ない、親戚と疎遠になるなど、ダブルケアを協力して行うことが難しくなっているのも課題です。

晩婚化・晩産化の進行

少子高齢化とともに、晩婚化や晩産化も長期的に見ると進行しています。平均初婚年齢の推移は、調査を始めた1975年は男性27.0歳、女性24.7歳でしたが、2017年時点では男性31.1歳、女性29.4歳です。近年の進行は緩やかになっているものの、徐々に平均初婚年齢が上昇しています。

平均出生時年齢も長期的な視点では上昇傾向です。1975年は第一子出生時の母の平均年齢は25.7歳、第二子出生時の平均年齢は28.0歳でした。2017年には、第一子出生時の平均年齢が30.7歳、第二子出生時の平均年齢が32.6歳となっており、出産する年代が遅くなっていることがわかります。

晩婚化・晩産化の進行によって、結婚した時・子どもが生まれた時の親や祖父母の年齢が高くなるため、ダブルケアが発生すると言えるでしょう。

ダブルケアによって生じる問題

ダブルケアによる負担は想像しやすい課題ですが、それ以外にも問題点が多くあります。ここで取り上げるのは、4つの問題です。

  • 女性への負担が大きくなりやすい
  • 孤立しやすい
  • 精神的な負荷がかかりやすい
  • 費用や時間がかかる

問題が生じる原因や内容を理解し、問題を解決する方法を考えてみましょう。

女性への負担が大きくなりやすい

上述した男女共同参画局の調査を見ると、育児を行う者、介護を行う者、ダブルケアを行う者それぞれで男性よりも女性の人数が多くなっています。

本来、育児や介護に性別の垣根はありませんが、「育児は母親が中心になってやるもの」「介護は女性がするもの」「男性は仕事をするもの」といった価値観が根強く、女性に負担がかかりやすくなっているのが問題です。

性別による役割意識を社会全体で変えていくことはもちろん、夫や兄妹、親戚などが意識を変え、ダブルケアに取り組む女性をサポートする必要があります。

孤立しやすい

兄弟姉妹がいなかったり、親戚との関係が希薄だったりすると、育児と介護で心身ともに余裕がなくなってしまいます。周囲に相談しようとするものの、周囲のダブルケア経験者に出会える場所や相談機関はまだ限られているため、孤立しやすいのが問題のひとつです。

一度孤立してしまうと、悩みやストレスを吐き出す場所がなくなり、次第に追い詰められてしまいます。育児放棄や介護放棄につながるケースもあるので、孤立しない仕組みづくりや周囲のサポートが必要です。

精神的な負荷がかかりやすい

育児や介護は、体力的な負担はもちろん、精神的にも疲弊しやすくなります。初めての育児や介護は慣れないことがほとんどで、わからないことを探り探り行わなければいけません。

どちらも長期的なケアであり、先が見えないこともストレスを感じる要因です。家族や親戚との人間関係で思い悩むこともあるでしょう。精神的な負荷から睡眠の質が落ちてしまうと、体力的にも擦り減ってしまうケースがあります。

費用や時間がかかる

ダブルケアをするためには、金銭面の負担が大きくかかります。育児に必要なものの購入費や食費、医療費など、介護に必要な設備やサービスの費用など、それぞれでも大きい負担がダブルケアによって増えてしまうのが問題です。

また、育児や介護には、時間を確保しないといけないので、自分自身の生活や仕事との両立も難しくなります。ダブルケアのために仕事を削ると収入が減る、ダブルケアによって自分自身の時間がなくなるなど、どうすればよいかわからなくなってしまうでしょう。

実際、ダブルケアとの両立が難しくなり、失業している方も多く、就業を希望しているものの実現できない場合もあります。

ダブルケアへの対策・対処法

ダブルケアによる問題点を解消するためには、適切な対策が必要です。ここでは、3つの対策・対処法を解説します。

  • スピーディーに情報収集する
  • 家族や親戚など周りの人に協力してもらう
  • あらかじめ経済面の準備をする

今ダブルケアに直面している方も、現在は育児または介護のみを行っている方も、自分の状況に合った対策を行い、少しでも負担を軽減しましょう。

スピーディーに情報収集する

ダブルケアに直面する前、直面してからなるべく早い段階で、すばやく情報収集することが大切です。ダブルケアを専門にする支援や窓口はまだ少ないため、育児と介護それぞれで利用できる支援や制度を確認しましょう。金銭面や体力面などの負担を抑えやすくなるので、積極的に活用するのがおすすめです。

ダブルケアにはお金も必要になるため、仕事を続けられるかも確認しなくてはいけません。職場での育児・介護に関する制度を調べたり、上司に相談したりするなど、状況を共有しつつ、対応できるように情報を集めましょう。

また、近年ダブルケアの悩みを相談できる「ダブルケアカフェ」が全国に設置され始めています。カフェを訪れて参加者と情報交換できるほか、オンラインミーティングで悩みを聞いてもらうこともできるようです。実際にダブルケアを経験している方から貴重な情報を聞くことができれば、ダブルケアに取り組みやすくなるでしょう。

家族や親戚など周りの人に協力してもらう

ダブルケアを一人で抱え込んでしまうと、体力的にも精神的にも追い詰められてしまいます。当事者が疲弊したり、孤立したりしないように、家族や親戚などに協力してもらうことが必要です。

家族や親戚に協力してもらえるか、どのように役割分担するか、介護はどのように行うか、費用はどうするかなどを、何度も話し合って決めると良いでしょう。ダブルケアが必要になってからだと話し合いが難しくなるので、ダブルケアの可能性が出てきた段階で早めに話し合うのがおすすめです。

あらかじめ経済面の準備をする

ダブルケアは多くの人が直面する可能性があります。時間や負担の心配はもちろんですが、経済面の準備は非常に重要です。育児や介護にかかるお金だけではなく、自分自身の生活を維持するためにもお金がかかります。

ダブルケアが始まって仕事を継続できないということもあるので、将来に備えて経済的な準備をすることが大切です。コツコツ貯蓄をしたり、保険に加入したりするなど、できる部分から準備をしましょう。当事者の準備はもちろん、家族や親戚との関係を構築し、いざという時に支援を受けられるようにすることも重要です。

まとめ

育児と介護を並行して担うダブルケアは、少子高齢化や晩婚化、出産年齢の高齢化などを背景に、近年問題視されています。育児と介護を行う負担はもちろん、孤立しやすいこと、精神的に疲弊しやすいこと、費用や時間がかかることなどが主な問題点です。

少しでも負担を軽減するためには、サポートや援助を受けるために情報収集したり、周りの人に協力してもらったりする必要があります。誰にでもダブルケアを行う必要が出てくる可能性があるので、今直面していない方も早めに準備を進めていきましょう。

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