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「BPR」とは?
基本から進め方、導入事例までを徹底解説!

企業では、仕事の効率化や業務フローの検討など、様々な部分で日々改善を行っているでしょう。業務改善では組織が変わらないときには、BPRという取り組みが有効な場合があります。

組織を再構築するという意味合いがありますが、まずはBPRとは何かを理解することが大切です。この記事では、BPRのメリット・デメリットや業務改善との違い、手法、ポイント、事例まで詳しく解説します。

BPRとは?

BPRとは、Business Process Re-engineeringの略称です。直訳すると、ビジネスにおける過程として組織や制度、システムなどを見直すことを言います。

この手法は、マイケル・ハマーとジェームス・チャンピーが共著した「リエンジニアリング革命」という著書で言及され、世界的に知られるようになりました。この著作で触れられているのは、これまでのビジネス構造を根本的に改善すること、業績を上げ顧客を得られる企業になることです。

現在では、多くの企業で取り入れられており、「コスト、品質、サービス、スピードのような、重大で現代的なパフォーマンス基準を劇的に改善するために、ビジネス・プロセスを根本的に考え直し、抜本的にそれをデザインし直すこと」と定義づけされています。

では、BPRならではのメリットやデメリットはあるのでしょうか。定義を踏まえて、メリットとデメリットをそれぞれを詳しく見ていきましょう。

BPRのメリット

BPRのメリットは、以下の通りです。

  • 生産性の向上
  • 意思決定のスピードアップ
  • あらゆるコストの削減
  • 顧客、従業員の満足度アップ

BPRを行うことによって、無駄なプロセスや業務などを抜本的に見直すことができます。生産性の低い原因が解消されれば、全体的に生産性が改善され、効率の良い働き方や業績アップなどを実現できるでしょう。

また、組織構造や業務プロセスなどの見直しは、意思決定のスピードアップに効果的です。無駄なプロセスを省くことによって、意思決定がスムーズになり、他社との競争やスピード感のある現代社会に遅れることが少なくなります。

さらに、コストの見直しによって、人的コストや金銭的なコストを削減可能です。無駄な業務を削減し、必要な業務にコストを割けば、従業員の負担が減るとともに企業のコストも減少します。

負担になっていた業務やシステムが改善されると、従業員の満足度は向上するでしょう。モチベーションやクリエイティビティなどが高まれば、商品・サービスの質にも良い影響があり、顧客の満足度アップも期待できます。

BPRのデメリット

BPRは、成功すればメリットが多いものの、大きな変化を伴うためリスクも付きまといます。気を付けたいデメリットは、以下の通りです。

  • システム導入などに初期費用がかかる
  • 現場に混乱が生じる可能性がある

業務改善やシステム変更などに合わせて、新しいシステムやツール、機材などを導入する場合、初期費用が発生します。システム導入はBPRの手始めであり、そこから組織や人が変わっていくため、コストが重荷になってしまってはBPRを完了できません。予算に余裕を持って、思い切った改革を進めることが大切です。

また、劇的な改革に対して、現場に混乱が起きるかもしれません。業務プロセスが変わったり、新しい業務が増えたりすると、現場の人材は対応に時間がかかります。混乱を防ぐためには、いきなりBPRを推進するのではなく、どのような変化があるか事前に共有することが重要です。

BPRと業務改善の違い

BPRと業務改善はどちらもビジネスを改善するものですが、細かい部分には違いがあります。ここでは、BPRと業務改善の違いを2つのポイントで見ていきましょう。

改善の対象

BPRの対象は、あらゆる業務に関わるプロセスそのものです。組織構造や評価制度、品質管理などを根本的に見直し、劇的に再構築します。

一方で、業務改善は、プロセスは維持したまま部分的な改善を行うのが特徴です。プロセス内の業務の進め方を話し合ったり、一部業務の効率化にシステムを導入したりして、業務をより良くします。

推進の仕方

BPRのキーワードは「劇的」です。業務の大部分を対象に、一気に大きく改善することを目指します。

業務改善は、BPRとは対照的に、少しずつ部分的に着手するのが特徴です。気になった部分をその都度改善するなど、一つひとつ見直していきます。

BPRの手法を解説

BPRには、いくつかの手法があり、特徴はそれぞれです。組織に合った手法を選択することによって、より効果的な改善を実現できるでしょう。基本的な流れと合わせて、3つの手法をご紹介します。

BPR推進の基本的な流れ

BPRの手法の前に、推進の基本的な流れを押さえましょう。以下のステップで進めるのが一般的です。

  1. 目的や目標、改善の対象などを検討する
  2. 現状の分析をし、課題を把握する
  3. 現状と課題を踏まえて、実施方法や戦略を設計する
  4. BPRを実施する
  5. BPRの進捗や過程をモニタリングし評価する
  6. 評価と改善を繰り返す

まずは、なぜBPRを行うのかを検討し、具体的な目標や改善範囲を決めます。次に分析を行い、現状と課題を把握し、BPRの実施方法や戦略を設計しましょう。

BPRを実施する際は、BPRの目的や実施方法などを従業員と共有することが大切です。従業員の理解を得た上で、劇的かつ抜本的な業務改革を進めましょう。初めからスムーズに進むとは限らないので、その都度モニタリングと修正を繰り返し、目標に対する評価を行うことも重要なポイントです。

ERP

ERPとは、Enterprise Resources Planningの略称で、日本語では統合基幹情報システムと表現することが多いです。

ERPを導入することによって、営業・物流・経理などの情報が一元管理でき、経営の効率化や意思決定のスピードアップなどを実現します。これまでは情報を分配して管理していた場合も多いため、システムを大きく変革するBPRにおいても有効な手法です。

BPO

BPOは、Business Proess Outsourcingの略称です。ビジネスのプロセスを外部に委託し、業務の継続と改善を行います。

これまでのアウトソーシングは行われてきましたが、BPOでは人事や営業といった領域を外部に移管する例も増えてきているのです。BPOを駆使すれば、自社だけでは難しいBPRも大きく前進させられるでしょう。

シェアードサービス

シェアードサービスとは、複数のグループ企業で重複している業務を1箇所に集約する手法です。集約した場所のことをシェアードサービスセンターと呼び、グループ企業の業務を一括して担います。

例えば、経理や人事、総務などは、どの企業でも発生する業務です。これらを独立させることで、グループ企業の業務効率を大幅に上げられるでしょう。

BPR推進のポイント

BPRを成功させるためには、手法を実践すればよいというわけではありません。やみくもに実践してしまえば、組織を混乱させるリスクがあります。解説する5つのポイントを押さえて、BPRを慎重かつ大胆に推進しましょう。

ビジョン・方針を明確にする

BPRを推進するためには、導入を検討する段階でビジョン・方針を明確にするのがポイントです。ここがブレてしまうと、一貫したBPRは実現しません。それどころか、体制が大きく変わっただけで成果を得られない可能性があります。

明確な方向性を定め、従業員にメッセージを発信することで、同じ方向を向いて取り組むことができます。目的・目標設定に時間をかけ、組織に浸透させることに重きを置きましょう。

全体で取り組む

BPRは、トップだけで推進するのではなく、現場も含めて全体で取り組むのが重要です。トップがアプローチしつつ、現場の主体的な取り組みやアイディアを取り入れることで、BPRが活性化します。

より連帯して推進するためには、現場の人材をBPRに参加させることも効果的です。当事者意識が強くなり、現場の課題や現状を共有しやすくなるでしょう。

顧客目線を取り入れる

会社の利益を上げるため、コストを削減するためといった目的も重要ですが、顧客目線の改革であることが大切です。

顧客の満足度アップが前提にあれば、従業員の理解を得やすく、顧客の信頼の獲得にもつながります。

継続することが大切

BPRは、劇的な改革ではあるものの、一度にすべてを改善することは難しいです。一度で終わってしまうと、十分に改善できないまま元に戻ってしまうかもしれません。

BPRを成功させるためには、継続して取り組むことが大切です。長期的な計画でBPRを進め、組織に改革を浸透・定着させましょう。

PDCAサイクルを繰り返す

BPRを推進する過程で、新たな課題や改善点が見つかることもあります。当初予定していた改革では、効果があまりないことがわかることもあるでしょう。

そのような場合は、計画を推し進めるのではなく、その都度分析や改善を繰り返すことが成功には不可欠です。PDCAサイクルを繰り返し、より良いBPRの仕組みづくりをしましょう。

BPR導入事例

BPRの推進を検討する際、モデルとなる事例を知っておくことも大切です。ここでは、3つの事例をご紹介します。それぞれの事例から参考にしたい部分や注意点を考えてみましょう。

佐賀県

佐賀県では、全業務を対象に、事業・計画の見直しや業務プロセスの変更を実施しました。赤字商業ビルの倒産や水道事業の共同化などが主な改革です。

BPRの結果、無駄な支出を削減できたとともに、職員の意識改革が進み、アイディアが活発に出てきました。

成功した要因に、小さな成功体験の重要性や外部人材の活用などを挙げています。意識改革は劇的ではなく、一つひとつ小さな目標をクリアするのが現実的といえるでしょう。自社人材だけで改革ができない場合は、BPOを検討することも重要とわかります。

静岡県

静岡県では、業務棚卸表を活用したBPRを行いました。学者の指導の下実施し、課長級以上の幹部職員への研修や外部の目を入れた事業仕分けなどを行っています。

その結果、行政のスリム化や人員の削減などの成果があったそうです。一方で、職員の意識改革は思うように進まず、継続して実施するとしています。

制度やプロセスを変更するよりも、個人の意識を変えるのは簡単ではありません。根気強く実施し、徐々に意識を変える必要があるでしょう。

製造業C社

ある製造業の会社では、組織改革とシェアードサービスによってBPRを推進しました。シェアードサービス会社に総務や人事などを集約し、業務の効率化を実現しています。中期経営計画の策定による基本戦略の打ち出しもBPRの核です。

シェアードサービスによってトータルコストが半分に削減されたのが主な成果です。ただ、シェアードサービスの活用の仕方によってはこれまでの取引先との契約を終了しなければならない可能性を指摘しています。地域とのつながりが深い場合は、導入を慎重に検討する必要があるでしょう。

まとめ

BPRは、日々の業務改善とは異なり、業務プロセスそのものを劇的かつ根本的に改善する取り組みです。初期コストや体制の変化などのリスクもありますが、生産性の向上や意思決定のスピードアップなど多くのメリットもあります。

BPRを推進する際は、ビジョンを明確にし、トップと現場が一体になって取り組むことが重要です。推進の流れや手法、事例もチェックして、BPRの推進を検討してみましょう。

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