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バランススコアカードとは?
4つの視点から経営戦略を考える

経営戦略・戦術を立てるためには、多角的な視点が必要です。例えば、財務に注力しすぎてしまうと、顧客や従業員、株主がないがしろになる可能性があります。そうならないために、広い視野で戦略を立案するときに役立つのがバランススコアカードです。

この記事では、バランススコアカードの基本情報、4つの視点、導入手順などを詳しく解説します。経営に課題を感じている方は、ぜひ活用を検討してみてはいかがでしょうか。

バランススコアカードとは?

バランススコアカードとは、BSC(Balanced Scorecard)と呼ばれることもある経営用語です。バランスは、経営のバランスを指すもので、いくつかの視点から経営を評価することで、経営戦略の立案や実行に役立てます。

ここでは、バランススコアカードを理解するために、歴史や背景、活用するメリットまで詳しく見ていきましょう。

歴史

バランススコアカードは、1992年にハーバードビジネススクールにて、ロバート・S・キャプラン教授、コンサルタント会社のデビット・P・ノートン社長によって、雑誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』の中で発表されました。

高度化・複雑化した経営環境に対応するために開発され、KPIによって経営状態を把握する枠組みとして報告されています。欧米企業で積極的に採用されるようになり、2001年頃には日本で取り上げられるようになりました。

バランススコアカードは、開発された当初から成長を続けており、活用の幅は今もなお広がっています。経営戦略を計画したり、顧客やステークホルダーの視点を取り入れたりするなど、新しい活用方法が日々生まれている手法です。

背景

バランススコアカードが生まれた背景には、アメリカの高度化・複雑化した経営環境がありました。 近年はアメリカにとどまらず、VUCA時代と言われるように(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)、ビジネスシーンは世界的に複雑化し、予測できない時代になってきています。

そのため、これまでのようにビジネスを進めるのは難しく、さまざまな角度から経営を分析・評価することが必要になりました。その手法のひとつとして注目されたのがバランススコアカードです。

4つの視点で構成されるバランススコアカード

バランススコアカードでは、均整の取れた評価をするために、以下の視点で経営状態を整理します。

  • 財務
  • 顧客
  • 内部プロセス
  • 学習と成長

それぞれの視点に該当する事柄や明らかになることを理解していきましょう。

財務

財務の視点では、財務的な成功のためにステークホルダーに対してどのように行動するかを評価します。純売上高、営業利益、株主資本利益率、投資収益率などが主なKPIに挙げられます。

顧客

顧客の視点では、顧客目線で戦略の成果を評価します。主なKPIは、顧客満足度、リピート率、顧客獲得率、市場占有率、顧客あたりの売上高・コストなどです。

内部プロセス

内部プロセスの視点では、業務プロセスについて評価します。市場・顧客ニーズに合致したサービス・製品を開発できているか、生産・販売のオペレーションは適切か、アフターフォローをしっかりできているかなどを確認します。

生産にかかっている時間、訪問顧客数、不良品発生率など、業務の流れや内容に関するKPIを設定することが大切です。

学習と成長

学習と成長の視点では、組織や人材を成長させるかを評価します。定着率や従業員満足度、資格取得率などが主なKPIで、企業の改革や改善の能力を明らかにできます。中長期的な視点であるため、将来性を可視化するために重要な項目です。

バランススコアカードの有効性

バランススコアカードを活用する有効性は、以下の通りです。

  • 戦略や業績を可視化できる
  • 戦略を活動に反映できる
  • 経営を継続的に改善できる
  • 新しいビジネスを創出できる

戦略や業績を可視化できる

バランススコアカードでは、後述する4つの視点で経営を評価・分析します。多角的に経営を見ることによって、企業のビジョンや戦略、業績などを可視化することが可能です。これまで見えていなかったものが明確になることで、強みや課題がはっきりするでしょう。

戦略を活動に反映できる

ビジョンや戦略は目標、施策に反映することができます。現場の声も取り入れることができれば、経営と日々の仕事をリンクさせられるのがメリットです。従業員の意識が変わり、モチベーションも高まっていくでしょう。

経営を継続的に改善できる

バランススコアカードは単発で終わるのではなく、定期的に使うことが大切です。その都度、業務プロセスや業績評価を見直すことによって、継続的に経営改善を図ることができます。

新しいビジネスを創出できる

さらに、バランススコアカードをきっかけに、新規ビジネスを創出することも可能です。将来像を明確にしたり、戦略的思考が身についたりするなど、ビジネスに役立つ状況把握やスキルの向上を期待でき、新しいビジネスの成功につながるチャンスが生まれます。

バランススコアカードの導入手順

バランススコアカードを効果的に活用するためには、手順を踏んで導入することが大切です。以下の手順を参考にして、一つひとつ確実に取り組んでいきましょう。

  1. ビジョン・戦略の策定
  2. 目標設定と戦略立案
  3. 重要成功要因の設定
  4. KPIの設定
  5. 数値目標の設定
  6. アクションプランの計画

ビジョン・戦略の策定

バランススコアカードを導入する際は、まず企業経営全体や新規事業を対象に、ビジョン・戦略を策定します。現在のビジョンが適切かを検討し、市場や事業の環境を把握しましょう。検討した内容をメンバーに共有することで、ビジョンをすり合わせることができます。

目標設定と戦略立案

次に、ビジョンを実現するための目標や戦略を設定します。このとき、財務、顧客、内部プロセス、学習と成長という4つの視点の詳細に当てはめることが必要です。

戦略に対して、各視点ごとに分析し、戦略マップを作成しましょう。視点ごとの因果関係を矢印で結んだり、重要項目を強調したりするなど、一目でわかるように可視化することが大切です。

重要成功要因の設定

戦略マップを参考にして、目標を達成するために必要な重要成功要因を設定します。何が戦略目標の達成に必要かを考え、絞り込んでいくことが大切です。

KPIの設定

KPIとは業績評価指標と言い、業績や戦略を評価するために必要な指標です。4つの視点に合わせて、KPIを検討・設定していきましょう。KPIに対して、わかりやすい目印になる数値目標を設定する必要があります。達成できる可能性がありつつ、チャレンジしたくなる数値を設定するのがポイントです。

アクションプランの計画

最後に、目標を達成するために何をすべきか、アクションプランを作成します。企業全体ではなく、個人レベルで具体的に計画することが重要です。従業員一人ひとりが何をすればよいかがわかるように、明確なプランを作成しましょう。

まとめ

バランススコアカードは、経営状況を把握したり、課題を発見したりするために便利な手法です。経営を可視化することによって、戦略を事業に反映したり、経営を継続的に改善したりすることができます。

導入する際は、やみくもに実施するのではなく、手順を着実にクリアすることが大切です。バランススコアカードを正しく理解し、経営に役立てましょう。

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