残業時間が半減!属人化から脱却し、組織力が飛躍的にアップしたTalknote活用法に迫る
1964年に保育室としてスタート。1976年に社会福祉法人認可を受け、現在は埼玉県戸田市に「あけぼの保育園」と「あけぼの第2保育園」の2つの保育園を運営。2024年4月にTalknoteを全スタッフで導入。現在(2024年11月)は46名で利用中。
課題
- スタッフ間で情報が適切に共有されず、伝えるべき情報が保護者や職員間などへ十分に伝えられていない状況だった
- スタッフによって情報の格差が生じていることで、孤独感や不安感につながり、離職の要因の一つとなる状況だった
効果
- 適切に情報共有できるようになったことで、情報がただの“情報”ではなく園の“財産”となり、一人ひとりの保育の質向上にも繋がってきた
- 情報の格差がなくなって孤独感や不安感が払拭できているだけでなく、働きがいアップにもつながった
- 業務が効率化されたことで残業時間の減少にも繋がり、質の高い保育を提供できるようになった
適切な情報共有ができておらず、
情報がただの情報としてあるだけで、
活用しきれていなかった
導入の経緯
課題はさまざまありましたが、なかでも組織内における情報共有が閉鎖的かつ属人的で、情報の格差が生じていることに課題を感じていました。
Talknoteを導入する前はLINEでコミュニケーションを取っていたのですが、ルールを設けずに個人の裁量で運用していたので、グループも乱立している状態でした。それにより保護者への伝達事項がうまく共有できなかったり、伝えて欲しいことを適切に伝えられない時もありました。それは、職員だけでなく、最終的には保育園への不信感につながる場合もあります。そうならないようにみんなで工夫はしていましたが、難しさを感じていました。
また、情報の格差はスタッフたちにとっても孤独感を抱く要因になっていました。「その情報、私には届いていない……」と。孤独感がしまいには不安感につながり、どう動いていいのか分からず、仕事がうまく進まなくなってしまう状況もありました。そういった状況では職員が自分らしく働く環境にはなっていかず、課題感を感じていました。
適切に情報共有ができていないことで、共有だけではなく、そこに付随するコミュニケーションにも影響が出てくると考え、そこで2024年4月にTalknoteを導入し、組織内の情報共有とコミュニケーションをTalknoteに一本化することにしました。
シンプルで誰もが使いやすい点などに魅力を感じて
Talknoteを導入「“LINEが使えれば使えます”を合言葉に」
Talknoteの導入経緯
まずは、Talknoteとは別の3つのコミュニケーションツールを比較検討していました。個人的にですが、どのツールもIT感が強く、ICTに抵抗がある人には拒否感を示されそうな印象でした。また、“コミュニケーション”というよりは “情報共有”に特化したイメージで導入には至りませんでした。せっかく導入しても、メインで使う先生たちが積極的に活用しないと期待する効果は得られません。自分自身が「これ!」と思うツールには出会えず、1年ぐらいは考えあぐねていました。情報共有を円滑にしていくには、情報を流すことだけではなく、コミュニケーションをより豊かに、より楽しくする必要があるとも考えていました。
そんなときに出会ったのがTalknoteでした。TalknoteはUIがシンプルで、直感的に操作できるので、メインで使う現場の先生たちにとっても導入のハードルが低いと感じました。たとえばデザインです。Talknoteは全体的に柔らかく、温かみのあるデザインでIT感が強くないので、「使ってみたい!」と思ってもらえそうだと感じました。また、使用されているフォントまで、誰もが使いやすいようにと細かい部分まで考えられている印象でした。
しかも情報共有としての役割はもちろん、しっかりとコミュニケーションが活発化するような仕掛けがあって、一例ですが、スタンプ機能や「いいね!」で直感的かつ楽しくコミュニケーションできる点が気に入りました。さらに、個人のプロフィール欄に名前や所属、役職などの基本情報のほか、誕生日や出身地、自己紹介文などを記載できる点も魅力でした。たとえば趣味や好きな食べ物などを入力しておけば、それらをきっかけにコミュニケーションが生まれたりしますからね。仕事をしていると、中々仕事以外のこと(プライベート)なことを知ることは中々ありません。でもコミュニケーションで大切なのは仕事だけの姿ではなく、仕事以外の姿も知っておくことがとても大切だと思っています。互いを色々な角度から知っておくことが実は仕事のスムーズやコミュニケーションの豊かさになると考えています。
Talknoteなら使い勝手にくわえて使い心地が良く、適切な情報共有はもちろん、組織内のコミュニケーションも活発化すると思って導入することにしました。
導入時の工夫
導入にあたって6名のスタッフで構成する推進チームを作りました。全員を役職者にするのではなく、現場の総括リーダーや主任、新人スタッフなどさまざまな層から抜擢し、あらゆる方向からの意見を取り入れるようにしました。
最初は推進メンバー内でTalknoteを使い、その後に30名ほどのスタッフ全員に導入しました。1〜2週間くらいの移行期間を経て、スムーズに導入できたと記憶しています。70代のスタッフもいるのですが、ご自身のスマホにTalknoteアプリをインストールして問題なく使えています。
ルールとして設定したのは、緊急時以外はLINEを使わないことや、夜8時以降は緊急時以外投稿しない、確認したら「いいね!」を押すことくらいです。あとは臨機応変にルール化していくようにしています。
Talknoteに情報を集約することで、
スキルアップや事故防止に貢献
よく使うノート
[保育日誌ノート]
日報を投稿するノートです。文章だけでなく、画像も添付して投稿しています。Talknoteを導入するまでは紙ベースで日報を提出していたのですが、書くだけ書いてあとはほぼ誰も見ることはなく、日報を日々の保育の振り返りとしては使えていませんでした。
Talknoteなら保育日誌ノートを確認するだけで、ほかの先生やほかの園がどんなことを実施しているのかが一目瞭然です。一人ひとりの保育に厚みが出てくるのはもちろん、園としてはこの保育日誌ノートの内容が財産にもなっています。
手書きのときは何を書いたらいいのか分からず15分くらいかけて書いているスタッフもいたのですが、Talknoteに切り替えてからはデジタルに慣れているからなのか、画像を添付するなど、工夫しながらも5分くらいで書けるようになっていて、時間短縮にもつながっているようです。
[ヒヤリハットノート・事故報告ノート]
ケガなどの事故につながりそうな“ヒヤリハット”を投稿するノートと、実際に起こった事故を投稿するノートがそれぞれあります。本園と第2の2つの園があり、たとえば本園で起きたヒヤリハットや事故を投稿することで、第2のスタッフに対しても気づきになります。
これまでは紙ベースで保存していたので、共有できているとはいえない運用でした。Talknoteならスタッフ全員に共有できるので、事前にリスクの芽を摘むための対策ができるようになりました。
[研修報告ノート]
園内外の研修に参加したスタッフが、研修で配布された資料とともに所感を書き記しておくノートです。参加できていないスタッフでも、この研修報告ノートを確認するだけでスキルアップにつながるだけでなく、そこからコミュニケーションが生まれたりもしています。
[マニュアルノート]
マニュアルをまとめておくノートです。Talknoteを導入する前は紙のマニュアルがあったのですが、事務所のマニュアル書庫に保管しているので、なかにはマニュアルがあることすら知らないスタッフもいました。Talknoteにすべてのマニュアルをまとめ、誰もがいつでも確認できる状態にしました。これまでは一人ひとりに説明していたものも、マニュアルを全員に共有することで、マニュアルをある程度理解した状態で、各マニュアルについてより深く話をすることができるので、話し合いの時間の効率化にも繋がります。
よく使う機能
[ハッシュタグ機能]
TalknoteにはSNSと同じようにハッシュタグ機能があり、「#(ハッシュタグ)」を付けて投稿することでキーワードやトピックを探しやすくなります。
保育所保育指針という保育所における保育の内容や関連する運営等について定めたものがあるのですが、そこには10の姿という幼児期の終わりまでに育ってほしい子どもの姿や能力をまとめたものがあります。たとえばそのうちのひとつの「#自立心」と検索すると、「自立心」にまつわる投稿が一覧で表示されます。ほかの先生が、子どもたちの自立心を高めるためにどんな保育をしているのかを確認できるので、スキルアップにも役立っています。
[プロフィール機能]
Talknoteは画像付きでプロフィールを設定できます。コミュニケーションのきっかけになるよう、「好きなこと」や「好きな食べ物」などの情報も載せるようにしています。コミュニケーションのきっかけになるのはもちろんですが、パーソナルな情報を共有することで、距離感もぐっと近くなって、仕事もしやすくなると考えています。
属人的な組織から脱却し、組織力が飛躍的にアップ
~情報共有ツールではなく、コミュニケーションツールとして~
導入の効果
導入の効果
Talknoteを導入して情報共有やコミュニケーションが活発化したのはもちろん、これによって園としての“財産”がストック的に積み上がり、組織力が増している実感があります。
Talknote導入前は情報共有や円滑なコミュニケーションができていなかったので、保育の内容などもすべて属人化していました。でもTalknoteを開けば誰がどのような保育を提供しているかすぐに確認できるようになりました。それによってスタッフ一人ひとりの保育の質が高まり、そして厚みが出て、どんどん組織力が高まっていると感じています。
しかも組織力を高めているのはスタッフたちなので、自分自身があけぼの会にいる価値を実感し、働きがいアップはもちろん、導入前に課題としていた、スタッフたちの不安感や孤独感の払拭にも貢献していると思います。
また、Talknote以外にも要因はありますが、業務が効率化して残業が減った点も大きな効果のひとつです。もともとそこまで残業が多い園ではありませんでしたが、それでも1人あたり月10時間くらいは残業していました。でも、いまは1人あたり5時間くらいになったので、半分くらいに減っています。
今後について
導入からまだ半年ほどですが、すでにさまざまな効果を実感しています。ただ、まだまだポテンシャルはあるはずですので、今後は、Talknoteを使って全員でコミュニケーションの質を底上げできたらと考えています。
というのも、コミュニケーションこそ属人的ですよね。その人が育った環境によってコミュニケーション能力も変わってくるはずですから。せっかく、Talknoteというコミュニケーションツールを使っているので、“伝え方”や“伝えるタイミング”を工夫するなどし、より質の高いコミュニケーションが取れるように成長していけたらと考えています。