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コンフリクトマネジメントとは?
衝突・対立を組織活性化につなげる方法を解説

コンフリクトとは「闘争」「衝突」などの意味を持つ言葉です。ビジネスシーンにおいて価値観や個性が異なる人間同士が関わる以上、コンフリクトは避けられません。

しかし、コンフリクトは必ずしもマイナスなものではなく、組織を良い方向に向けるエネルギーになることもあります。コンフリクトを防ぎつつも、起きたときに適切な対処をするコンフリクトマネジメントが近年注目されているのです。

この記事では、コンフリクトマネジメントの概要やコンフリクトの原因、対応などを詳しく解説します。今問題が起きていない場合も、将来に備えてコンフリクトマネジメントを理解しておきましょう。

コンフリクトマネジメントとは?

コンフリクトマネジメントとは、直訳すると戦いや争い、闘争、対立などをマネジメントすることを指します。コンフリクトは物理的な戦いを意味することもありますが、コンフリクトマネジメントにおいては職場での対立や食い違いなど広い意味で捉えるのが特徴です。

会社には、年齢や性別、価値観などの異なる人間が存在するため、大小を問わずコンフリクトは必ず発生します。上司と部下の対立、同僚同士の諍い、他部署との軋轢など、コンフリクトの内容は様々です。

主な事例として、開発部門と運用部門の対立を考えてみましょう。開発部門は新しいシステムをリリースするものの、運用部門はオペレーションがその都度変更され、付いていけない状態になっています。そこでコンフリクトマネジメントを行うと、システム開発に運用部門のペースが合っていないこと、無駄なオペレーションが残っていることなどの問題点を洗いだすことが可能です。これによって、対立を解消するだけではなく、お互いにとって良い方法を考えるきっかけが生まれます。

コンフリクトマネジメントでは、コンフリクトを解決することはもちろん、マイナスの状態から対立している当事者双方がWin-Winの関係になることを目指します。「Aさんが悪い、Bさんが正しい」と勝敗を決めることではありません。コンフリクトを解決するとともに、コンフリクトを通して人間関係の構築や職場環境の改善などを実現するのがコンフリクトマネジメントと言えます。

コンフリクトの要素

コンフリクトは、大きく3つの対立に分けることができます。

  • 条件の対立
  • 認知の対立
  • 感情の対立

自社にどのようなコンフリクトがあり、どのような要素が対立につながるのかを理解し、コンフリクトに備えましょう。

条件の対立

条件の対立とは、仕事に求める目標や条件などが対立することです。例えば、上司がコストダウンを目指しているものの、部下は品質を優先したい、上司は納期に間に合わせるために急ぎたいものの、部下は納期よりも安全に配慮したいなどの対立が代表的な事例にあります。売上アップ対コストダウンなども条件の対立のひとつです。

認知の対立

認知の対立は、思考や価値観の違いによって発生します。従業員それぞれで大切にする価値観や思考の傾向が異なるため、それらの違いから対立が起きることがあるのです。例えば、理想を追い求めたい人と現実的に進めたい人、印象対事実などが認知の対立を象徴する事例と言えます。

感情の対立

思考や価値観と同じく、それぞれが抱く感情も従業員によって様々です。ある事柄に対して、Aさんは満足しているもののBさんは不満がある、Cさんは商品・サービスに愛着があるもののDさんは無関心といったケースは感情の対立と言えます。

感情の対立は、条件や認知よりも表面に出にくく、根深い対立は解決が難しくなるので注意が必要です。

コンフリクトによる反応・態度

コンフリクトが起きると、従業員にはいくつかの反応・態度が現れます。主な態度は、以下の5つです。

  • 強制
  • 服従
  • 妥協
  • 回避
  • 協調

それぞれのどのような反応・態度なのかを理解し、コンフリクトマネジメントを実施する際に意識してみましょう。

強制

一方がもう一方に対して、強制的に意見を押し付けるとコンフリクトが起きやすくなります。意見を握りつぶされてしまった側は、強制してきた側に対して不満を募らせることが多いです。

自分たちの意見を聞いてほしい、現場に目を向けてほしいといった反応が起こり、感情の対立が発生しやすくなります。

服従

強制と対になるのが服従です。強制によってコンフリクトが起きる可能性が高いですが、服従では相手の意見を飲み込み我慢をする傾向があります。対立が表面化しない場合も多いですが、その場合もコンフリクトは解決していません。

相手の言いなりになっている状態では、言いたいことを言えず不満やストレスが溜まっていきます。前向きに仕事に取り組むことができず、モチベーションや生産性が落ちる可能性が高いです。

妥協

妥協は、どちらか一方が有利になる強制や服従とは異なり、互いに譲り合っている状態です。一方の意見を受け入れつつも、妥協点を見つけて納得できる状態を探っています。

一見、コンフリクトが解消されたように思えますが、実際そうではないことが多いです。どちらも自分の意見が通っていないので、対立が生じる可能性はなくなっていません。

回避

回避とは、互いが対立の解決から逃げてしまっている状態です。妥協することが難しい場合に、意見を譲らず話し合いも思い通りできなくなります。

双方が歩み寄らない限りは解決はできず、解決が先延ばしになるほど状況が悪化する可能性がある、あまり望ましくない状況です。

協調

協調は、互いに意見を受け入れつつ、最適な結果を求めて議論を行う態度です。互いにとって一番良い方法を模索する反応であり、コンフリクトマネジメントが目指すところでもあります。

コンフリクトマネジメントのメリットと注意点

コンフリクトマネジメントには、メリットとデメリットの両方があります。メリットだけで実施を決定してしまうと、デメリットが発生したときに対応が遅れやすいので注意が必要です。ここでは、コンフリクトマネジメントのメリットとデメリットを順に見ていきましょう。

メリット

コンフリクトマネジメントによるメリットは、以下の通りです。

  • 意見を言い合える環境・組織になる
  • 人間関係や信頼が強固になる
  • モチベーションや生産性が高まる

意見を言い合える環境・組織になる

コンフリクトマネジメントを実施する過程で、上司と部下、他部署同士などで話し合い・意見交換などを行います。双方の意見を伝えることで対立の解決を目指し、日常的に意見を言い合える環境をつくることができるのがメリットです。

意見を言い合えることは、対立の場面以外でも効果を発揮します。企画や商品・サービスなどについて議論している場面でも、アイディアや改善点を率直に話せるようになるでしょう。他者の意見に刺激を受けたり、クリエイティブな発想が生まれたりして、成果にもつながっていきます。

人間関係や信頼が強固になる

コンフリクトマネジメントによって、どちらかが悪ではなく、どちらとも納得できる対立の解消を実現できます。マネジメントの過程で互いについて理解できるため、対立する前よりも人間関係が円滑になったり、信頼関係が強くなったりする場合があります。

人間関係の悩みは、離職や休職などに直結する要素です。上司と部下や部署間の関係が改善されれば、人間関係による離職が減少するきっかけになるでしょう。

モチベーションや生産性が高まる

対立が起きている、解決できていない状態では、前向きに働くことは難しいでしょう。思い切って意見を言っても取り合ってもらえない、対立している相手に確認する気持ちになれないといった状況が続けば、個人のモチベーションが上がらず、生産性が落ちてしまいます。

コンフリクトマネジメントを実施することで、意見を認められる環境ができ、帰属意識が高まりやすいです。臆せずにコミュニケーションを取れたり、納得した環境・条件で働けたりすることでモチベーションが上がり、意見交換を活発にしながら生産性のアップも期待できます。

デメリット

コンフリクトマネジメントで気を付けたい注意点は、以下の2つです。

  • メンバーが納得して行わなければ効果がない
  • 相手への思いやりを持つことが前提

メンバーが納得して行わなければ効果がない

普段部下のマネジメントを行う管理職やリーダーだけがコンフリクトマネジメントを実施しようとしても効果は期待できません。メンバーがコンフリクトマネジメントの目的やメリットを理解することによって、対立を円滑に解消でき、メリットを得られるようになります。

コンフリクトマネジメントに関する研修を開いたり、チームでミーティングを実施したりして、社内全体で共有した上で取り組むことが重要です。

相手への思いやりを持つことが前提

コンフリクトマネジメントでは、互いの意見を認めた上で、最適解を見つける協調の姿勢が大切です。対立を解決したいからといって、どちらか一方を責めてしまっては、関係に致命的な亀裂が入り、話し合いが進まないケースもあります。

互いに侮辱や罵倒をしないことを約束し、思いやりを持って意見を聞きましょう。相手を傷つけずに冷静に話し合うことによって、双方の相違点やコンフリクトの原因などが見つかり、Win-Winな解決を実現できるはずです。

コンフリクトマネジメントの実践方法

コンフリクトマネジメントを実践するためには、いきなり導入するのではなく、ステップを踏むことが大切です。

コンフリクトマネジメントは、以下の手順で進めていきましょう。

  1. コンフリクトに対する認識を変革する
  2. コンフリクトマネジメントの内容を共有する
  3. 対立している当事者同士で話し合いをする
  4. 必要に応じて第三者がコミュニケーションに介入する
  5. 解決案を見つけ、協力して取り組む

いきなり実施するのではなく、下準備を丁寧に行うことが重要です。コンフリクトが必ずしもマイナスではないことを伝え、コンフリクトマネジメントの内容やメリットなどを組織全体で共有しましょう。

下準備が完了したら、対立している当事者同士で話し合いを行います。話し合いが上手く進まない場合は、必要に応じて第三者が介入するのも方法のひとつです。コンフリクトの原因を様々な観点から考え、互いに納得できる着地点を探しましょう。解決策が見つかったら、当事者はもちろん、周囲も協力して取り組むことが大切です。

まとめ

コンフリクトはどの会社でも起きる可能性がありますが、まず理解したいのは決してマイナスばかりではないことです。対立を通して、個人間や組織の問題点が明らかになり、全体にとって良い解決策が見つかれば、会社は良い方向に進むことができます。

上手くコンフリクトマネジメントが機能すると、従業員のモチベーションや生産性の向上、風通しの良い職場の実現、離職率の低下などの効果が現れるはずです。コンフリクトマネジメントの手順や要素、主な反応・態度も把握し、自社でのコンフリクトマネジメントに役立てましょう。

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