こんにちは。社内コミュニケーションツール「Talknote」Magazineチームです。

企業で行う日々の業務を効率化するには、扱う情報の適切な管理と共有が欠かせません。しかし、情報が分散していてアクセスしづらかったり、どの情報を参考にすればよいか戸惑ったりした経験をした人は多いのではないでしょうか。近年は扱う情報が複雑かつ膨大になってきており、管理方法に課題を抱える企業も少なくありません。こうした課題を解決に導くのが、情報の「一元管理」です。

この記事では、一元管理の基本的な考え方や、導入することで何が実現できるのかなどをわかりやすく解説します。

一元管理とは

一元管理の理解を深めるために、まずはそもそも一元管理とはどのようなものなのかを解説していきます。

一元管理の概要

一元管理とは、部署ごとや担当者ごとに分散していた情報を一箇所に集約する管理手法です。情報そのものだけでなく、管理の方法自体も統一する点が特徴で、企業が持つ経営資源の効率的な管理を目的に行われます。

従業員の勤怠情報や在庫情報、販売情報、顧客情報、さらにはマニュアルなどの情報が一元管理の対象となります。こうした情報を一箇所にまとめることで、各部門や担当者が情報を迅速かつ正確に取得でき、業務の効率化や迅速な経営判断が可能になるのです。

一元管理と似た意味を持つ用語

一元管理と似た意味を持つ用語には、主に「一括管理」と「同期」があります。それぞれの用語の違いや特徴について説明します。

一括管理

一元管理と一括管理の違いは、「管理方法」を統一するかしないかにあります。一元管理は管理方法を統一するのに対して、一括管理は管理方法を統一しない状態を指すことが多いです。どちらも複数の部署や担当者がそれぞれ管理していた情報を一箇所に集約して管理する点は共通していますが、そのプロセスと方法に違いがあります。

同期

同期とは、2つ以上の端末間でファイルやフォルダをリアルタイムで共有することです。例えば、パソコンとタブレットでカレンダーを同期している場合、パソコンで予定を更新すると、その変更は即座にタブレットにも反映されます。

情報にアクセスしやすくなるという点では同期も一元管理も共通していますが、同期はあくまで端末やシステムが持つ機能の一種です。１つのプロジェクトのような形で行う一元管理とは性質が異なります。

一元管理をするメリットとデメリット

ここからは一元管理のメリットとデメリットについて解説します。メリットとデメリットの両方の面から、一元管理の理解を深めていきましょう。

一元管理をするメリット

一元管理を導入することの大きなメリットは業務の効率化です。ほかにもコスト削減やヒューマンエラー防止に効果を発揮するなどがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

業務の効率化が見込める

一元管理を導入すると、必要な情報を迅速に引き出すことができます。情報が一箇所に集約されているため、情報を探す手間と時間の削減が可能です。異なる部署や担当者に情報の保管場所を確認する手間も省けます。

無駄な時間を省くことで、業務の効率も向上します。一元管理を活用することで、情報の検索や確認に費やす時間が減少し、コア業務に集中できる環境が整います。

コスト削減が期待できる

一般的に、一元管理は情報を電子化してあらゆるところからアクセスできるようにすることを指します。もし紙媒体を中心に情報の管理を行っているなら、一元管理を導入することで大きなコスト削減が期待できます。

まず、紙そのものにかかる費用削減が可能です。そして印刷費、さらには情報保存のためのスペースにかかる場所代やファイリングに使用する消耗品類の費用など、多種多様な経費を抑えられます。一元管理を通じて、紙媒体を電子化すれば、これらのコストを削減できます。

ヒューマンエラーを防止できる

一元管理の導入によって、情報の更新漏れなどのヒューマンエラーを防止できます。
もし同じ情報が複数の場所で保存されている場合、各保存場所で情報のズレが起きる可能性が高まります。しかし一元管理は一箇所で情報を統括するので、こうしたズレが起こる心配をする必要がありません。

更新漏れが発生したデータをもとに業務を行うと、その後の業務でもさらなるミスが発生するかもしれません。余計な修正作業が必要になり、業務の効率も悪くなります。修正やミスを防ぐための二重チェックなどにも労力がかかり、その分企業全体の生産性が低下します。

しかし一元管理を実施すれば、こうした更新漏れやヒューマンエラーのリスクは最小限に抑えられるのです。

経営判断の迅速化につながる

一元管理を導入することで、経営層の迅速な経営判断が可能になります。経営に必要な情報をタイムリーに確認できるようになるからです。一元化された情報に瞬時にアクセスできるため、情報収集に時間を費やすことなく、スピーディーかつ的確な意思決定が可能になります。

一元管理をするデメリット

一元管理を導入することには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。次は一元管理のデメリットについて説明します。

導入と運用のコストが発生する

一元管理を導入する際には、コストが発生します。情報を集約するためのシステムを導入する初期費用はもちろんのこと、運用をスムーズにするための保守費用も必要です。また、システムの導入にあたって、新たな機器やソフトウェアの購入が必要になる場合もあります。

ただし初期投資がかかるものの、一元管理は長期的には効率化やコスト削減の効果が期待できる施策です。きちんと運用できれば、かけた費用に見合った成果が得られるでしょう。

従業員が抵抗感を持つ可能性がある

一元管理の導入により、既存の業務プロセスやルールの変更が必要になることから、従業員が抵抗感を持つ可能性があります。多くの人はなるべく現状を維持したいと考えるため、変化を嫌う傾向があります。

従業員が新しい業務環境にスムーズに適応するためには、変化を受け入れやすくするための適切なサポート体制や教育が必要になってきます。

一元管理を成功させるポイント

一元管理を成功させるためには、「実施する目的を社内で共有する」「活用しやすいシステムを選ぶ」「ツールの使用方法を社内に浸透させる」という3つのポイントが重要です。

実施する目的を社内で共有する

一元管理を導入する際は、行う意義やメリット、期待できる効果などを社員全員が理解することが不可欠です。なぜなら、目的やメリット、導入効果が不明瞭な場合、社員は新しいシステムに対して協力的な姿勢を持ちにくくなるからです。

多くの人は目的が明確になって納得できると、自ら手段を考えて行動する傾向があります。したがって、一元管理の目的を明確にし、社内で広く共有することが、社員の積極的な協力につながるのです。

活用しやすいシステムを選ぶ

一元管理にあたっては、従業員が使いやすいと感じるシステムの導入も重要です。なぜなら、システムの使い勝手が悪いと、せっかく情報を集約しても従業員にとって不便な状態となってしまうからです。

したがって、システムを選ぶ際には、従業員が直感的に操作しやすいものを選定しましょう。使いやすさが確保されていれば、従業員が積極的にそのシステムを利用するようになり、業務の中で一元管理を実践できます。システムの選定時には、実際に従業員がそのシステムを試す期間を確保し、フィードバックを収集する機会を設けると良いでしょう。

ツールの使用方法を社内に浸透させる

一元管理システムの使用方法やルールなどを社内に周知することは、スムーズな運用に欠かせません。導入するシステムの操作方法をわかりやすくマニュアル化しておけば、従業員がシステムの導入に抵抗感を持ちづらくなります。

導入してはじめのうちはシステムの使用方法がわからない場合にすぐに相談できる環境を整えましょう。何か困ったことがあっても問題解決できる体制が整っていれば、従業員が安心してシステムを活用できます。

情報の一元管理を通して業務改善を実現しよう

情報の一元管理は、業務の効率化やコスト削減、ヒューマンエラーの防止といった多くのメリットをもたらします。一元管理の導入によって、業務フローがスムーズになり、迅速かつ正確な経営判断が可能となります。

社内で一元管理を行う際は目的を明確にし、活用しやすいシステムを選び、ツールの使用方法を徹底的に社内に浸透させることが重要です。情報を扱う従業員の理解が得られれば、一元管理が実現し、企業全体の業務改善が可能になるでしょう。