
ホスピタリティとは?意味・メリット・高め方のポイントを解説
「ホスピタリティの意味は?」
「ホスピタリティを高めるにはどうしたらいいの?」
このようにお悩みではありませんか?
「ホスピタリティ」という言葉は、医療・介護やホテルなどの観光業で耳にすることが多いですが、「サービス」や「おもてなし」との違いがわかりにくいですよね。
そこでこの記事では、「ホスピタリティ」の意味や、職種別に求められる場面についてわかりやすく解説します。
また、ホスピタリティを高めるために企業ができることについても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ホスピタリティとは?
初めに、ホスピタリティの意味について解説します。
- ホスピタリティの意味や語源の由来
- ホスピタリティとサービスの違い
- ホスピタリティとおもてなしの違い
言葉の意味を正しく理解し、求められる場面に応じて適切に使い分けましょう。
ホスピタリティの意味や語源の由来
ホスピタリティとは、おもてなしの心でお客様を迎え入れ、期待以上の体験を提供することを意味します。
主に宿泊・飲食・旅行・観光といったサービス産業で多用されてきましたが、近年は業種・職種を問わず多くの企業でも重視されている要素です。
ホスピタリティの語源の由来はラテン語の「hospes」(ホスぺス)と言われており、客をもてなす主人を指しますが、英語の派生語としても使用されています。
ホスピタリティとサービスの違い
ホスピタリティと似た言葉に「サービス」があります。どちらも顧客満足度向上を目的としていますが、重視する要素が異なります。
ホスピタリティは、お客様に心地よい体験や、感動する体験の提供を重視します。心情や内面的なアプローチを中心とするため、主従関係はありません。
一方サービスは、顧客が求める要望やニーズに迅速に対応することに重きを置いており、提供する側と受ける側には主従関係が生じます。
ビジネスを成長させるためには、これらをバランスよく提供することが必要不可欠です。
ホスピタリティとおもてなしの違い
おもてなしは日本人独自のホスピタリティ精神を表す言葉です。
広義は心からの歓待や親切な接客・思いやりを表し、狭義では日本独自のおもてなし文化を指します。
また、茶道・華道といった伝統文化、武士道に通ずる精神的な思想が反映されたと伝えられており、想定されたお客様を迎え入れる準備を行い、所作を重んじる傾向があります。
全てのお客様に対し、その場の状況に合わせて柔軟に対応するホスピタリティとは異なる概念です。
それぞれ文化的な背景やもてなし方が異なるため、場面に合わせて使い分けましょう。
ホスピタリティのメリット4つ
ここでは、ホスピタリティのメリットを4つ解説します。
- 顧客満足度の向上
- 社員同士の人間関係の構築
- 企業の売上向上を促進
- 個人単位での意識の向上
ホスピタリティが企業が成長する上で欠かせない理由を確かめてみましょう。
顧客満足度の向上
お客様の期待を超えるホスピタリティの提供は、顧客満足度の向上につながります。
企業の取り組みや人間ならではの気配りと柔軟性が、他では得られない特別な価値を与え、信頼関係を築けるでしょう。
高い満足度が得られたお客様は、商品やサービスをもう一度利用したいと考えるため、リピーターの獲得につながります。
さらに、よい評判はSNSや口コミで広がり、新たな顧客獲得にもつながっていくでしょう。
社員同士の人間関係の構築
ホスピタリティを社内で実践すると、社員同士が良好な人間関係を築けます。
その結果、コミュニケーションがスムーズになり、確かなチームワークが形成されるため、共通の目標に向かって協力し合える職場となるでしょう。
また、お客様から見えないところでもお互いにサポートし合い、生き生きとした表情で楽しく働ける点もメリットです。
企業の売上向上を促進
ホスピタリティが上がると、企業の売上向上を促進できます。
顧客満足度向上によるリピーターや新規顧客の獲得は、安定した売上向上をもたらし、企業全体の業績アップにつながるでしょう。
さらに、顧客満足度が上がると従業員のモチベーションも向上するので、より付加価値の高いサービスを提供できます。
個人単位での意識の向上
ホスピタリティは、企業で働く個人の意識の向上にも効果があります。
ホスピタリティ精神は相手の立場に立ち、その人の喜びを自分の喜びとして感じる行為なので、直接的な見返りを求めることはありません。
相手の反応に左右されず精神が安定するため、個人の幸福度を高めることができます。
また、同僚との協働を意識することで、顧客に対しても柔軟な対応が可能となり、ビジネスの質も高まるでしょう。
ホスピタリティの高め方
ここからは、ホスピタリティの高め方について解説します。
- 笑顔での挨拶を徹底する
- 傾聴力を磨く
- 細やかな気配り
- 実際にホスピタリティを体験してみる
- 具体的な目標設定をする
- 顧客が求める以上のサービスを考え続ける
上記の行動を実践し、お客様に質の高いホスピタリティを提供しましょう。
①笑顔での挨拶を徹底する
笑顔での挨拶は、ホスピタリティの基本として非常に重要です。相手の第一印象を決定づけるポイントにもなります。
基本的なことですが、笑顔と挨拶が徹底できれば、ホスピタリティの質向上にもつながるでしょう。
社員同士で笑顔での挨拶を習慣化すると、顧客対応にも活かせます。
難しい状況に置かれたとしても、お客様の目を見ながら丁寧な接客を心がけると好印象を与えられるでしょう。
②傾聴力を磨く
傾聴力を高めるためには、相手が話しやすい雰囲気作りを意識してみてください。
コツは、話を聞きながら時々相槌を打ったり、質問をしたりしながら相手の話を聞くことです。
相手を理解しようとする姿勢は相手への敬意を表し、相手との信頼関係を深める大切な行為となります。
お客様のニーズを正確に汲み取るためにも、傾聴力を磨いていきましょう。
③細やかな気配り
細やかな気配りとは、相手の小さな変化に気づき、さりげなくサポートする行為です。
さりげないサポートをするには、相手が言葉や行動に移す前に、先回りして対応する必要があります。
たとえば、天候の急変を予測して傘を準備するなど、お客様の隠れた要望を汲み取り、期待を超える感動を提供しましょう。
自分のニーズを察知したホスピタリティに、お客様は安心感と心地よさを感じるはずです。
④実際にホスピタリティを体験してみる
ホスピタリティのヒントを得るには、評判のよいレストランやホテルに行き、質の高いサービスを実際に体験してみましょう。
自分がサービスを受ける側となり、お客様と同じ視点に立つことで、新しい発見を得られます。
さらに、これまでの自分の対応との違いに気づくことで、ホスピタリティの高いサービスを提供できるでしょう。
心地よく感じたサービスを積極的に取り入れ、顧客の満足度向上につなげてみてください。
⑤具体的な目標設定をする
ホスピタリティを高めるためには、具体的な目標を設定しましょう。以下のように目標数値を設定することで、到達点が明確になり実践しやすくなります。
- 混雑時の待ち時間を10分以内に短縮する
- クレーム件数を20%減少させる
- お客様満足度を90%以上を維持する
- リピーター率を50%から60%にあげる
ただし、無理な目標設定をしてしまうと士気を損なう可能性があるため、現実的な目標を立て、徐々にハードルを上げていきましょう。
段階的に目標をクリアできると達成感や仕事のやりがいにつながります。
⑥顧客が求める以上のサービスを考え続ける
顧客の期待以上のニーズを提供するためには、言われたことに対応するだけではなく、潜在的な要望を考えて行動する必要があります。
そのためには、相手の立場に立って考え、ニーズを汲み取ることが重要です。
言葉だけでなく、表情や態度からもサインを読み取るよう努めることでお客様を真に理解できます。
顧客が求めることを常に考え改善しようとする姿勢は、真のホスピタリティへとつながっていくでしょう。
求められるホスピタリティを業種別に紹介
ここからは、業種別に求められるホスピタリティについて解説します。
- 医療現場・介護現場
- ホテル
- レストラン
業種によって求められるホスピタリティを理解し、要望に合ったホスピタリティを提供をしましょう。
医療現場・介護現場
病院や介護施設のホスピタリティは、身体・精神的に弱っている患者や利用者に対し、その人らしさを大事にした「接遇マナー」が求められます。
例えば、末期の患者に行われる緩和ケア・ホスピスは、一時的に死の恐怖から気持ちを切り離すためにリラックスできる環境を整え、話を聞いて不安を受け止めることが大切です。
医療や介護の現場で求められるホスピタリティは、「適度な距離を保ちながら相手の気持ちに歩み寄り、不安を取り除こうと働きかける姿勢」であると言えるでしょう。
ホテル
ホテルで求められるホスピタリティは、快適な空間で非日常の体験ができることです。
お客様に良質なホスピタリティを感じてもらうためには、従業員一人ひとりの徹底した接客マナーやホスピタリティに対する意識の高さが大切です。
ホスピタリティが高いホテルマンは、お客様のちょっとした仕草や表情から要望を汲み取る敏感さを持っています。
場面に応じて適切な対応を取ることで、ファンやリピーターを獲得できるでしょう。
レストラン
レストランのホスピタリティには、食事の味だけではなく、一緒に食事をする人と心地よい時間を過ごせる空間づくりも含まれます。
衛生面の注意やスマートな配膳はもちろん、お子様連れのお客様に子供用の食器を用意するなど、顧客の気持ちに寄り添えると顧客満足度の向上につながるでしょう。
来店したお客様に対する気遣いや喜んでもらえるサービスを考え、期待以上の感動を届けることでリピーターにつながります。
ホスピタリティを高めるために企業ができること
最後に、ホスピタリティを高めるために企業ができることを紹介します。
- 企業や経営者が率先した行動を取る
- ホスピタリティの認識を統一する
- 従業員の意見を取り入れる
- 顧客アンケート調査の実施
- スタッフ評価や待遇の改善
- コミュニケーションツールの活用
以上のポイントを押さえ、ホスピタリティ研修に活かしましょう。
企業や経営者が率先した行動を取る
企業全体のホスピタリティを向上させるには、まず企業の経営者が実践してみせることが重要です。
経営者自ら、お客様に対して挨拶や柔軟に行動する姿を従業員に示すと、従業員も自然にホスピタリティ精神を身につけられるでしょう。
従業員のホスピタリティ精神の向上は、お客様へのサービスにも反映されるはずです。
ホスピタリティの認識を統一する
「ホスピタリティとはこういうもの」と従業員全員が共通認識を持ってサービスを提供することが大事です。
もしも行き過ぎたサービスをしてしまうと、次からのハードルが上がりすぎてしまい、従業員が疲弊してしまう可能性も。
従業員には、お客様が求めるホスピタリティと、持続可能なサービスを考えながら自発的に行動する意識を持たせることが重要です。
従業員の意見を取り入れる
ホスピタリティに関する従業員の意見を適宜取り入れましょう。普段からお客様と接する現場からの声は、お客様の意見も同様に貴重だからです。
また従業員にとっても、自社のホスピタリティ活動に関わることで、モチベーション向上につながります。
顧客アンケート調査の実施
定期的な顧客アンケート調査を実施すると、自社のホスピタリティレベルを再確認できます。
ただし、必ずアンケートには実施目的の説明や、個人情報保護への取り組みを明確に記載しましょう。
調査結果には、お客様の要望が書かれているため、改善点がわかります。
また、お客様から高評価が得られると業務のモチベーションアップにもなります。
調査結果を活用し、ホスピタリティの向上に役立てましょう。
スタッフ評価や待遇の改善
ホスピタリティの評価は、スタッフ同士で評価すると公平公正な人事評価となります。
社員の満足度が低いとモチベーションが下がり、ホスピタリティが向上しません。
企業は評価の高い従業員に賃金・賞与で還元するなど、スタッフ評価や待遇を改善することで、ホスピタリティの向上を持続的に目指せる環境を作りましょう。
適正な評価や待遇を受けることで、自己成長や働く意欲を高めることにつながります。
コミュニケーションツールの活用
大規模な組織でのホスピタリティに関する情報の統一や確認には、コミュニケーションツールの活用がおすすめです。
また、従業員が業務中に気がついたことや、改善案を適宜連絡する場を設けておくと、他の従業員も参考にできます。
業務の決まりやホスピタリティ研修で学んだことを見返す際にも便利ですよ。
まとめ
ホスピタリティは、おもてなしの心を持って人を迎え入れ、期待以上のサービスを提供するという意味を持ちます。
従業員には様々な場面やお客様の要望に対し、適切な対応が求められます。
「Talknote」はリアルタイムで情報を共有したり、これまでの情報を蓄積できるため、ホスピタリティへの認識を統一する際に有効に活用できますよ。
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