こんにちは。社内コミュニケーションツール「Talknote」Magazineチームです。

「イニシアチブってよく聞くけど、どういう意味？」
「どうやって使ったらいいのかわからない…」
とお困りではありませんか？
「イニシアチブ」という言葉は、使うシーンによっても意味合いが変わるため、混乱してしまうこともあるでしょう。
そこでこの記事では、「イニシアチブ」という言葉の持つシーンごとの意味合いや使い方について解説します。
また、ビジネスシーンでの「イニシアチブ」に関する注意点や役に立つ方法も紹介

「イニシアチブ」とは？

「イニシアチブ」とは、物事を率先して行い、他者に先駆けて優位な立場を築くこと、またはその力を指します。
広辞苑では「率先して行動し、物事をある方向へ導く力。主導権」と定義されており、主体的な行動が求められる場面で頻繁に用いられる言葉です。

ここでは、「イニシアチブ」という言葉が持つ意味を、以下のシーンごとに解説します。

ビジネスにおける「イニシアチブ」

ビジネスシーンで用いられる場合、「イニシアチブ」は主に「主導権」や「実行力」を意味します。
具体的には、プロジェクトの進行や交渉の場面で主導権を持っている状態、チームを先導して進める姿勢を指します。
ビジネスではこうした能力が求められる場面が多く、業務を円滑かつ有利に進めるためには、「イニシアチブを取る」ことが成功のカギとなるでしょう。

政治における「イニシアチブ」

政治では、「イニシアチブ」は「国民発案」や「発案権」を指します。
政策提案が国民から出される仕組みで、たとえば「この法律を変えようというイニシアチブ（発議）である」のように使われます。
そして、このイニシアチブ（国民発案）に対する最終的な判断をレファレンダム（国民投票）と言います。あわせて覚えておくとよいでしょう。
また、発議内容を冠して「ASEAN統合イニシアチブ」や「グローバルヘルス イニシアチブ」のように用いられることもあります。「構想」や「政策」という言葉に置き換えることができる使い方です。

スポーツにおける「イニシアチブ」

スポーツシーンでの「イニシアチブ」は、試合などで主導権を握っている状態、つまり「優勢な立場」や「先手」を意味します。
また、その状態を作るために戦略的に攻勢を仕掛ける姿勢や、相手にプレッシャーを与えている状態を指して「イニシアチブを取っている」と表現します。

その他のシーンにおける「イニシアチブ」

恋愛や日常生活でも「イニシアチブ」は用いられます。
男女間においてどちらが主導権を握るかといった関係性を表現する際や、「イニシアチブを取る性格」のように性格の特徴を表す際に使用されることがあります。

イニシアチブの英語表記

英語では「initiative」と書き、カタカナでは「イニシアチブ」もしくは「イニシアティブ」と表記されます。
この単語には「主導権」「自発力」「率先」だけでなく、「構想」や「戦略」といった意味も含まれます。

イニシアチブの言い換え表現4つ

ここでは、「イニシアチブ」の言い換え表現を4つご紹介します。

主導権

これまで「イニシアチブとは主導権を握っている状態」とお伝えしてきた通り、イニシアチブは「主導権」に置き換えることが可能です。
英語の「initiative」の日本語訳の1つでもあり、言い換えとして使いやすい言葉だと言えます。

リーダーシップ

「イニシアチブ」にはチームを先導して物事を進める様子や力も含まれており、この様子は「リーダーシップ」と表現することができます。
ただし、イニシアチブには立場や上下関係が関与しませんが、リーダーシップには組織内でのポジションが付随するケースが多くあり、イニシアチブの方がより広い意味を持ちます。

率先

人の先に立って行動することを述べたい場合、「率先」と置き換えることができます。
「率先」も、「initiative」の日本語訳の1つです。

積極的

「イニシアチブ」には「実行力」や「行動力」の意味も含まれます。そして、この姿勢は「積極的」と表現することが可能です。
能動的に動き、周囲を巻き込む姿勢を示す際には、「積極的」と置き換えて伝えてもよいでしょう。

【例文あり】「イニシアチブ」の代表的な活用例3つ

ここでは、「イニシアチブ」という言葉の代表的な活用例を3つご紹介します。

イニシアチブを取る（握る）

「イニシアチブを取る（握る）」は、他者との関係において主導権を握り、物事を優位に進める意味で使用します。
積極的に新しいアイディアを発案したり、目標達成に向けて主体的に行動する姿勢を指して、「イニシアチブを取っている」と表現します。

イニシアチブを発揮する

「イニシアチブを発揮する」は、リーダーシップに近い意味合いで使用されます。
組織において、率先して行動する力や姿勢について言及する際に用いられる表現です。

戦略的イニシアチブ

「戦略的イニシアチブ」は企業や組織が掲げる戦略的な取り組みを指し、ここでのイニシアチブは「構想」や「計画」という意味を持ちます。
ビジネスにおける長期的な成功や、競争優位性を得るための重要な行動・取り組みを表します。

ビジネスでイニシアチブを取るメリット

ビジネスにおいて、イニシアチブを取ることは会社の成長に繋がります。

イニシアチブを取れる人材がいることにより、競合他社に対して優位性を保つことが可能です。
また、社員一人ひとりがイニシアチブを取ろうと力を尽くすことで、積極的な発言が増えて意見交換が活発になり、主体的な行動が増えて生産性が向上することが考えられます。
イニシアチブを取れる行動をすることは個人の価値を高め、イニシアチブを取る文化を育むことは、会社全体の成長と競争力の向上に直結すると言えるでしょう。

イニシアチブを取る方法

続いて、イニシアチブを取る方法について解説します。

以上のポイントを押さえて意識的に行動し、イニシアチブを取れる人材としての成長を目指しましょう。

積極的に発言する

イニシアチブを取れるようになるために、まずは積極的に発言することからはじめてみましょう。
明確に自己主張することで、議論やプロジェクトの進行をリードしやすくなります。
ただし、計画性のない発言は適切とは言えません。根拠のある発言が求められるため、準備を怠らないことが重要です。

相手が納得できる根拠を提示する

イニシアチブを取るためには、自分の意見に耳を傾けてもらうことが不可欠です。そのためには、相手が納得できる根拠を示すことが重要です。
単に思ったことを発言するだけでは、相手に聞き流されてしまう可能性が高くなります。
相手が納得できる情報を提供することで信頼感を得て、受け入れてもらいやすい状況を作り、イニシアチブを取りやすくなります。

リスクマネジメントをする

イニシアチブを存分に発揮するためには、事前に潜在的なリスクを把握し、対策を講じることが大切です。
たとえば、リスクがあるプロジェクトでは、失敗を恐れて積極的に行動できなくなることもあるでしょう。
リスクを軽視して行動することで、後々大きな問題を引き起こす可能性もあります。
リスクをコントロールし、自信を持って行動できる環境を整えることで、イニシアチブを発揮しやすくなり、結果的により高い成果を得ることができるでしょう。

質問を想定して回答を準備しておく

相手からの質問を想定し、回答を準備しておくことでイニシアチブを握りやすくなります。
解答を準備をしておくことでその場をスムーズに進行できるだけではなく、相手の疑問に的確に応じることで信頼を得て、意見や提案が通りやすくなるのです。
さらに、質問を事前に想定しておくことで場の流れを掌握し、焦ることなく議論をリードできるようになります。
準備をしっかりと行うことで場の支配力を高め、イニシアチブを取ることができるでしょう。

意思決定に時間をかけすぎない

イニシアチブを取るためには、素早い判断が不可欠です。
意思決定に時間をかけることで、機会を逃して状況が不利に進展したり、他の人が先に動いてしまう可能性があります。
反対に、迅速な決断を下すことで「自信を持って行動している」という印象を与え、リーダーシップをアピールできます。
そのためには、あらかじめの準備が必要です。
前述のリスクに対する対策はもちろん、優先順位を明確にしてどの要素を重視するかを前もって整理しておけば、選択が容易になるでしょう。

イニシアチブを取る際の注意点

最後に、イニシアチブを取る際の注意点を2つご紹介します。

イニシアチブを発揮するべき場面と人を見極める

ビジネスマンとして備えておきたいイニシアチブを取る力ですが、すべての場面で主導権を握る必要はありません。
特に、上司や取引先からの指示に従うべき場合は、出過ぎた行動を避け、適切なタイミングを見極めることが重要です。
相手が主導となるべき場面での自己主張は輪を乱しかねず、行き過ぎると「勝手な行動を取る人」と捉えられてしまうため注意が必要です。

他人を振り回さないよう気を付ける

相手の意見に耳を貸して適切に返答できなければ、ただ周りを振り回すだけで、主導権を握っているとは言えません。
場の空気をコントロールするためには、相手の発言を尊重し、理解しようとする姿勢が必要不可欠です。
「主導権を握る」ことを「一方的に物事を推し進める」ことと履き違えてしまうと、周囲からの信頼を損ねてしまいます。
「イニシアチブを取る」とは、他人を従わせるのではなく、全員が納得し前向きに行動できる環境を作ることです。
真にイニシアチブを取るためには、他者の気持ちを汲み取り、協力を引き出すためのコミュニケーションを取る必要があります。

まとめ

「イニシアチブ」という言葉は、主に「主導権」や「実行力」を意味し、ビジネス・政治・スポーツなどの様々なシーンで用いられます。
この記事では、特にビジネスにおける「イニシアチブ」について解説してきました。
ビジネスの場でイニシアチブを発揮することは、業務の効率化や競争優位性の向上に繋がり、会社全体にメリットをもたらします。
この記事を参考にイニシアチブについての理解を深め、できることから実践し、自身の市場価値を高めましょう！