ナレッジマネジメントとは?意味やメリット、導入ステップまで徹底解説
こんにちは。社内コミュニケーションツール「Talknote」Magazineチームです。
生産性および自社の競争力向上のための対策として、「ナレッジマネジメント」が注目を集めています。ナレッジマネジメントを導入すると優秀な人材が育成できるだけでなく、新商品やサービスの開発にもつながります。しかし、ナレッジマネジメントを行うには正しい知識と手順を身につけておかなければなりません。
本記事ではナレッジマネジメントについて解説し、導入を成功させるポイントを紹介します。ナレッジマネジメントを自社に取り入れたいと思っている方はぜひ参考にしてください。
ナレッジマネジメントとは
ナレッジマネジメントを導入する際は、その意味や目的をしっかり把握する必要があります。ここで詳しく解説するため、ぜひ知識として覚えておいてください。
ナレッジマネジメントの意味
ナレッジマネジメントは英語では「Knowledge Management」と表記され、「知識管理」を意味します。しかし実際は、「知識創造に基づく経営」という意味合いが強いです。具体的にいうと、ナレッジマネジメントとは社員たちが業務を行うなかで得た知識を社内で共有し活かす、という経営手法を表します。
ナレッジマネジメントの目的
ナレッジマネジメントの目的は、「企業の成長を促すことによって競争力を向上させること」です。人材の流動が激しくなっている近年、従業員間での知識やノウハウの継承が難しいという課題を抱えた企業が増加しています。年々知識の質、および知識量が縮小している企業も少なくありません。
知識量の縮小は、企業の成長の妨げになります。成長できない会社は、成長し続けている会社に遅れをとり、競争に生き残れない可能性も出てくるでしょう。そうした事態を避けるために意識的に知識を共有することで成長を促し、競争力の向上につなげることがナレッジマネジメントの大きな役割です。
ナレッジマネジメントが注目される背景
ナレッジマネジメントが注目され始めた背景には、前述した「人材流動の激化」のほかに、「雇用形態の多様化」があります。これまでの日本は、一度勤めた会社で定年まで働くことが当たり前とされていました。そのため、社内でノウハウや技術を伝承するシステムが自然に構築されていました。
しかし近年では、終身雇用制度がほぼ崩壊し、人材の入れ替わりが激しくなりました。また、フレックス制やリモートワークなど働き方も多様化し、社員同士のコミュニケーションが取りづらい環境になっています。社員同士のコミュニケーションが減少すると、知識や技術を共有する機会も減ります。また、社員が退職するとその人が持っている知識や技術も企業に残らなくなります。このような背景から、多くの企業がナレッジマネジメントの重要性に着目するようになったのです。
ナレッジマネジメントの基礎理論
ここからは、ナレッジマネジメントに基礎理論に欠かせない4つのタイプと、3つの要素について解説します。
ナレッジマネジメントの4つのタイプ
ナレッジマネジメントには、目的や手法によって分けられた4つのタイプがあります。それぞれ詳しく解説します。
ベストプラクティス共有型
優秀な社員の考え方やノウハウ、行動パターンを言語化し共有する方法です。マニュアルには記載されていない個人の経験に基づくスキルや知識を共有することで、社員の力を底上げします。
たとえば、営業成績トップの社員の「商談の進め方」や「よく使用するフレーズ一覧」を共有することで、営業成績が上がらない社員をサポートするのがこの方法です。蓄積したノウハウをもとに業務を進めることで、新たな知識やスキルも創出できるでしょう。
専門知ネット型
社内で発生した専門知識を必要とする課題において、解決スピードの向上を目指す手法です。知識を持つ社員同士の連携強化や、専門知識の一元管理を行うことで課題解決に必要な情報を素早く収集・整理できるようにします。たとえば、社内の製品やサービスに関するよくある質問、およびその回答をFAQシステムにまとめることなどがこの手法に該当します。
知的資本型
特許やライセンス、著作権など経済的価値のある知的資産を集約し、組み合わせることで新たな付加価値を生み出す手法です。また、自社だけでなく他社の事例や強みも参考にし、経営戦略の立案や業務プロセスの改善につなげることもあります。
顧客知共有型
分散している顧客の個人情報や対応履歴などを一元管理し、顧客サービスの向上につなげるのが「顧客知共有型」です。顧客情報を社内で共有することにより、「担当によっていっていることが違う」といった顧客のクレームを防ぎ、顧客トラブルが発生した際にスムーズな応対ができるようになります。
また、担当者がいなくても顧客対応ができる、担当が変更になる際の引継ぎの負担が少なくなる、といった効果も期待できるでしょう。
ナレッジマネジメントに必要な3つの要素
ナレッジマネジメントを実践するには「知的資産」、「SECI(セキ)プロセス」、「場」の3つの要素が欠かせません。それぞれの要素について詳しく解説します。
知的資産
知的資産とは、社員が個人的に取得した知識や人脈のことです。ここでいう知識とは、業務上のノウハウや技術を指します。また、知的資産には既得のノウハウや技術だけでなく、ナレッジマネジメントの課程で生み出された新たな知識も含まれます。これらの知識が「知的資産」としてナレッジマネジメントの核を担っている、といえるでしょう。
SECIプロセス
SECIプロセスとは、新たな知識を創造するプロセスのことです。SECIプロセスについて理解するには、まず「暗黙知」と「形式知」について知っておく必要があります。
- 暗黙知
図式化や数値化、言語化されていない個人の主観的な知識
- 形式知
数式などで可視化されており、客観的な理解ができる知識
この暗黙知と形式知が互いに変換し合い、作用し合うことで新しい知識が生まれます。「SECI」は暗黙知と形式知の相互転換における、それぞれのプロセスの頭文字を取ったものです。
SECIプロセスは、以下の段階で成り立っています。
- 共同化(Socialization)
共同体験を通じて個人が持っている暗黙知に共感しあう
- 表出化(Externalization)
共有した暗黙知を言語化や図表化して形式知に転換する
- 連結化(Combination)
既存の形式知と新たに獲得した形式知を融合させ、新しい形式知を創造する
- 内面化(Internalization)
新しい形式知をシミュレーションや実践を通して個人が取り込み、再び暗黙知化させる
この一連の流れを繰り返すことにより、ナレッジマネジメントに必要不可欠な知識資産が作られていきます。
「場」
「場」とはナレッジマネジメントにおけるプラットフォーム、つまり知識を創造・共有・活用する場所を意味します。
場の一例は以下のとおりです。
- 業務を行う現場
- 社内ミーティング
- 社内SNS
- プレゼンテーション
いくらマニュアルを読んで知識を身につけても、実践できなければ意味がありません。ナレッジメントを効果的に活用するには、暗黙知を場に応じた形式知に変換できるスキルが重要です。
ナレッジマネジメントを導入するメリット
ここからは、ナレッジマネジメントを自社に導入するメリットを紹介します。
人材育成の効率化
ナレッジマネジメントを蓄積することで、効率よく人材育成できます。同じことをゼロから教える労力が削減されるのはもちろん、新人が効率よく専門的な知識やノウハウを身につけられるようになります。その結果、研修にかかる時間の削減が叶うでしょう。
生産性の向上
ナレッジマネジメントを導入すれば、優秀な社員のスキルやノウハウ、知識を共有できるので社員全体のスキルアップにつながります。その結果、業務の質が向上し、効率よく進められるようになるため生産性も向上するでしょう。
業務や情報の属人化を防ぐ
ナレッジマネジメントを導入すれば、「担当者が休むと業務が止まってしまう」、「あの人にしかできない仕事がある」といった業務の属人化防止にも役立ちます。マニュアルやノウハウをいつでもだれでも簡単に引き出せるようにしておけば、「特定の人しか対応できない仕事」がなくなるため、業務が平坦化して急な退職や求職にも対応できます。
新たなナレッジを得られる
ナレッジを共有することで、新たなナレッジが創造できます。たとえば、他社の成功事例を分析して共有点を見つけることで、新たな商品やサービスの開発につながります。新たなナレッジを得られればその分知的資産が増え、自社の競争力が向上するでしょう。
ナレッジマネジメントの導入ステップ
ナレッジマネジメントは、手順にそって導入していく必要があります。ここからは、ナレッジマネジメント導入のステップについて、順を追って紹介します。
導入の目的を明確にする
まずは、なぜナレッジマネジメントを導入するのか、その目的を明確にしましょう。目的が定まっていないと、どのようなナレッジが必要なのかが見えてきません。また、業務改善や社員のスキルアップにつなげられない可能性があります。
導入の手間だけかかって効果が見られなかったとなると、社員の理解も得られなくなってしまいます。まずは自社の課題や問題点を洗い出し、「ナレッジマネジメントを導入することでどのような結果を出したいのか」を明確にしましょう。
蓄積が必要な情報を可視化する
導入の目的が明確化したら、それにそったナレッジを可視化して集めましょう。
情報を可視化する方法の例は、以下のとおりです。
- 顧客からのクレームと対応例
- 成績が優秀な社員の営業ノウハウ
- 新人育成のマニュアル
情報を可視化する際は、どの社員が読んでも安易に理解できることを意識します。いくらナレッジが集まっても、実践する社員が理解できなければ意味がありません。専門用語は使わず、難しい言葉はかみ砕いて記載するよう意識しましょう。
情報を集約するツールの選定
ナレッジが集まったら、集約するツールを選びましょう。すでに社内で使用しているツールを使ってもいいですが、できればナレッジマネジメント用のツールを新たに導入することをおすすめします。ナレッジマネジメントに特化したツールを導入することで、社員が必要な際にすぐに情報を見つけられるため効率よく活用できます。
ナレッジマネジメントを行うなら「Talknote」
ナレッジマネジメントを行うのに便利なツールはいくつかありますが、なかでもおすすめなのが「Talknote」です。Talknoteは、「Talknote株式会社」が展開している情報共有プラットフォームです。リアルタイムでの情報共有やデータの蓄積を通して、組織運営をサポートしてくれます。ここからは、Talknoteの主な特徴を紹介します。
誰でも直感的に操作できるシンプル設計
Talknoteの魅力のひとつが、シンプルで使いやすいデザイン設計です。マニュアルを読めなくても直感的に操作できるため、機械が苦手な社員でもスムーズに活用できるでしょう。ナレッジマネジメントを行うには、社員の理解・協力が必要不可欠です。わかりやすいツールを導入することで、社員も「操作が簡単なら使ってみようかな」という気持ちになるでしょう。
情報を振り返りやすく、マニュアル共有も簡単に
必要なときに必要な情報を見つけられる環境は、ナレッジマネジメントには欠かせません。Talknoteは伝えたい情報やテーマ、メンバーごとに作成できるノート機能やタスク管理できる機能、投稿が最新のものから表示されるタイムライン機能が備わっているため、情報の振り返りや共有を簡単にできます。
充実・安心の導入サポート
Talknoteは専属の担当者が導入から運用までしっかりサポートし、「導入したけれど、まったく活用できていない」という事態を防いでくれます。事前のヒアリングを参考に初期設定や運用ルールの構築、環境設定も行うほか、必要に応じた勉強会も実施しています。担当者が自社にもっとも適した運用体制を作成するため、効果的に活用できるでしょう。
まとめ
ナレッジマネジメントを行うには、導入の目的を明確にする必要があります。せっかく情報を集めても社員がしっかり活用できなければ意味がないため、情報の収集・共有をスムーズに行えるツールの導入を検討しましょう。
Talknoteは情報の収集や活用、社内のコミュニケーションに有効な情報共有ツールです。操作もシンプルなうえ、サポートも充実しているので、社員も有効活用できるでしょう。Talknoteでは、14日間の無料体験も実施しています。気になった方は、まずはお試しから始めてみてはいかがでしょうか。