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承認欲求の意味とそのコントロール方法について解説します

こんにちは。社内コミュニケーションツール「Talknote」Magazineチームです。

「承認欲求」とは、人間が抱く欲求の一種です。具体的には、「自分を見てほしい」「話を聞いてほしい」「誰かに褒めてほしい」などの、「他者から認められたい」という欲求です。

承認欲求が強い人が集まった組織は、人間関係上の問題が発生しやすいことが特徴です。従業員個人単位で見ても、仕事や普段の生活に支障をきたすケースがあります。それはなぜなのでしょうか。

  • 自己承認欲求が強く人間関係や社会的立場において自身の行動を改善したい
  • 承認欲求の強い人との付き合い方に悩んでいる。

本記事では、上記のような思いを抱いている方に向け、承認欲求の意味や承認欲求が強い人が増えている社会的な背景、承認欲求に対する付き合い方について解説します。

承認欲求が強い人との職場での付き合い方や、そのための適切なコミュニケーションをとる方法についても紹介するので、ぜひ最後までお読みください。

承認欲求の意味と心理学的背景

承認欲求の具体的な意味と、心理学的な背景について解説します。

承認欲求とは

承認欲求とは、友人や同僚などの「他人から認められたい」「自分を価値ある存在として認められたい」という欲求です。

具体的には、「自分の頑張りを認めてほしい」といった感情がこれに該当します。承認欲求が強い場合は、他人に不快な思いをさせたり本人が不安に苛まれたりといった、ネガティブな作用をもたらします。

承認欲求と似た欲求としては、自己顕示欲があります。自己顕示欲とは、「自分を目立たせたりアピールしたりすることで、他者からの注目を浴びようとする欲求」です。

承認欲求の場合は「誰かに認めてほしい」「自分を受け入れてほしい」という欲求を抱きます。自己顕示欲は「自分をアピールしたい」「注目を浴びたい」「称賛されたい」といった欲求を抱きます。

自己顕示欲は自分をアピールしたいといった欲求を主眼としているのに対し、承認欲求は誰かに認めてもらうといったことを主眼としている点が特徴です。しかし、両方とも「他者の反応を得たいがために何かをするケースがある」という点では共通しています。

ただし、承認欲求の場合は「他者承認」と「自己承認」の2種類に大別できるので、承認欲求を満たすために必ずしも他者の反応が必要というわけではありません。

以下、他者承認と自己承認の違いを確認していきましょう。

他者承認

他者承認とは、他者からの尊敬や評価を得たいという欲求です。このタイプの欲求を抱いている場合は、他者からの反応や評価を得ることに固執する傾向にあるのです。

例えば、「多くの人から注目を浴びたり、富や名声、権力を持ったりすること周囲から評価されたい」という人は他者承認を求める人だと言えます。このタイプの人は他者からの承認を得たいがために、努力する傾向があります。

他者承認欲求は自己承認欲求よりも低レベルの欲求です。他者からの承認を得られるかどうかに左右されるので、他者承認欲求の強い人は不安を抱いたり突拍子もない行動に出たりする危険性があります。

人間関係上のトラブルを起こしやすいのは、他者承認欲求の強い人です。周囲に認めてもらいたいがために、仕事の評価や反応を他者に求めるので問題につながりやすいのです。

自己承認

自己承認とは、自己承認は自分で自分自身のことを認めたいという欲求です。このタイプの欲求を抱いている場合は、「より自分を好きになりたい」「自分の技術をさらに高めたい」といった思いを持っているケースが多いです。

自己承認は他者承認よりも高いレベルの欲求に該当し、自分の存在価値を自分の基準で考えられる心理状態にあります。そのため、他者の反応に一喜一憂することなく、自分で自分の承認欲求を満たせます。

一見すると自己承認欲求には問題がないように思えますが、「現状の自分の良さを認められずに不満を感じてしまいやすい」という問題につながりがちです。例えば理想を高く掲げすぎ、理想を満たせないことで自信がなくなり、自分を過小評価してしまうといったことなどです。

自分自身に高い目標を課すことは、モチベーションを上げたり心理的・技術的向上につながったりする有効な方法ではあります。しかし、目標をクリアできなかったときにモチベーションが下がるリスクもあります。

上記のような事態に陥らないようにするためには、現状の自分の良さを認めつつ、さらに理想に向かって心理的・技術的に向上するといったことが重要です。目標を掲げる際も、一気に高い基準を掲げるのではなく、少しずつ基準を引き上げていくことが大切です。

心理学からみた承認欲求

承認欲求は、心理学における「マズローの欲求5段階説」で言及されています。マズローの欲求5段階説は、アブラハム・マズローによって提唱された、人は低次の欲求を満たすことで、より高次の欲求も満たしたくなるという理論です。欲求のレベルを5段階に分けて整理していることが特徴です。

具体的には、以下の5段階で整理されており、下に行くほど高い次元の欲求に該当します。

  • 生理的欲求
  • 安全欲求
  • 社会的欲求
  • 承認欲求
  • 自己実現欲求

なお、マズローは晩年に自己実現欲求の上に自己超越という6段階目の欲求があることも発表しています。

欲求5段階説では、低次元の欲求が満たされると高次元の欲求を欲するようになると定義されていることです。それは、高次元の欲求は低次元の欲求が満たされていなければ関心を持たないという意味でもあります。

この5段階欲求説から考えてみても、承認欲求に囚われた場合はさらに高い次元である「自己実現欲求」を達成できないことになります。

自己実現欲求とは、「自分がこのような目的を実現したい」という欲求です。自分が実現したいことに向かって進むので、他者の反応に左右されるものではありません。

つまり、自己承認の欲求に囚われている限りは、自分の人生や仕事における目標の実現からは程遠いと言えるのです。

そのため、自分の大事にしたいことを踏まえ、適切に自己管理を行いましょう。

承認欲求が強い人が増えている社会的な背景と発生原因

現代は承認欲求が強い人が増えている時代だと言われています。その理由としては、主に以下の原因が挙げられます。

  • SNSの普及と浸透
  • 幼少期の家庭環境の影響
  • 教育現場での価値観の変化
  • 時代の変化

SNSの普及と浸透

現代はスマホやインターネットが広く普及して、誰もがSNSで情報発信をすることが可能です。FacebookやInstagramなどのSNSプラットフォームが増加し、人々は日々の出来事や成果、考えなどをネット上に投稿する機会が増えました。

これらのSNSプラットフォームを通じて人々は、他のユーザーから「いいね!」やコメントなどのフィードバックを得られるようになりました。これによって、SNSのユーザーは自分の行動や意見が他人によって評価される瞬間を目撃する機会が増えたのです。

「インターネットを通じて自分の行動や意見が評価されたいと思う人」が増加しやすい環境が形成された結果、承認欲求が強い人が増えてしまったのです。

しかし、このケースの多くは他者承認を求める人が増加したというもので、他人の反応に一喜一憂する人々が増加したことを意味します。

結果、SNSにその人の実際の生活とは異なる虚偽の情報を投稿する人が増えたり、SNS上でのトラブルが発生したりなど、各種の社会問題につながっています。

幼少期の家庭環境の影響

幼少期の家庭環境は、人々の承認欲求に大きな影響を及ぼす要素です。幼少期から親や家族の間で十分な承認や称賛を受けられなかった場合は、大人になっても他者からの承認や評価を強く求める傾向が強いです。

このようなケースで見られる承認欲求も、他者承認です。このような心理状態にある人は人から得られる反応によって自己の内面の不安や欠如感、不満足感を埋め合わせようとする傾向にあります。

上記のようなケースを生じさせないためには、家庭での育ち方や親からの教育などにおいて、定期的に子どもを褒めるなどの対応が必要だと言えるでしょう。

教育現場での価値観の変化

現在の教育現場では、「褒めて伸ばすこと」を主眼に置いています。褒めて伸ばすこと自体は良いことですが、褒める際には「褒められて当たり前というわけではない」ことや「他人の反応に左右されずに自分の良さを認めることが大切だ」と明確にする必要があります。

今の若手従業員の多くは、子どもの頃から「褒められるのが当たり前」の環境で育ってきている傾向にあります。そのため、社会人となってからも上司や先輩に褒められることを期待する心理が生じる懸念があるのです。

そのため、そうした人達が上司や同僚から褒められないことで、企業や仕事に対する不満を抱く原因になる可能性があるのです。

時代の変化

上記の3つの要素が揃っている現代においては、人から承認されることを求める人が増加していると言えます。結果、人から承認されないことが人々の不満を招きうる時代だと言えるのです。

これらの問題が背景にある上で、企業担当者が従業員をマネジメントする際は、「若手世代における他者からの承認欲求は強い傾向にある」ことを念頭に置きましょう。

指導を受ける側も他者承認を求めることを省み、過剰ではない自己承認を意識するなどしていきましょう。

承認欲求の表れ方とその影響

承認欲求の強い人による影響について解説します。

承認欲求が強い人の特徴と行動パターン

承認欲求の強い人には、以下の4つの特徴があります。

  • 他人と比較する
  • 周囲の目を気にしすぎる
  • 自分本位
  • プライドが高い

他人と比較する

承認欲求の強い人は他人と自分とを比較しがちです。承認欲求の強い人は他者と自分とを比較して一喜一憂する傾向にあると言えます。

例えば、「自分の方があの人よりも仕事ができる」「あの人よりお金を持っていない」などの比較を行うケースが該当します。これらの比較によって人を見下したり嫉妬を起こしたりなどの心理を起こし、人間関係上のトラブルに発展することも珍しくありません。

周囲の目を気にしすぎる

承認欲求という心理状態は他者の反応を気にする傾向があります。つまり、周りの目を気にしすぎる人が多いのです。

具体的には、「自分がどう思うか」よりも、「他者がどう思うか」「他者に認められるか」を重視しているということです。

職場においては、他者からの批判を恐れてよく考えないまま他人の意見に賛同したり、仕事に対する評価に固執したりするケースとして表出します。これらによって、有効性のない意見が通って損害を生じたり上司とトラブルになったりすることが考えられます。

自分本位

承認欲求の強い人は自分本位な傾向が強いです。人からの称賛を得たいがために、自分の優れている点を過剰にアピールしたり人の話題にかぶせて自分の話をしたりします。

唐突に自慢話を始めることもあり、一方的な会話に終始するので、他者とのトラブルが起こりやすい傾向にあります。

コミュニケーションは、相手に話したり相手の話を聴いたりといった双方向の会話によって成り立ちます。自分のことだけを一方的に話すようでは、会話が成立しません。結果、承認欲求の強い人は所属先の職場で孤立しやすいのです。

プライドが高い

承認欲求が高い人の中には、プライドが高い人もいます。他者との比較による優越意識によるプライドを抱く人もいるので、そういった人は他者を見下しがちです。

上記のような特権意識を抱きながらも承認欲求が満たされない場合は、自分より優れた相手を認められない傾向があります。他者を認めたり評価したりすれば、相対的に自分の評価を下げることになると考えているからです。

酷い場合には相手を貶めようとしたり技術があることに罪悪感を抱かせたりしようとするので、他人とのトラブルが起こりやすいです。

承認欲求をコントロールする方法

人々が承認欲求に囚われないようにするためには、以下のポイントを踏まえましょう。

  • 自己承認を意識する
  • 内発的動機を増やす
  • 現実的な目標設定をする
  • 健康的な人間関係の構築

自己承認を意識する

承認欲求が強い人は、他人からの評価に左右されやすい傾向にあります。そのため、ある意味では、集団の中で他者からの反応に怯えて生きているとも言えます。

しかし、他者からの評価は自分でコントロールすることはできず、人によって評価基準は異なります。例えば、業務の質よりも効率だけを最重視して評価する上司では、相手の業務効率性だけに目が向きがちです。

このような上司は、仕事で創出した価値や顧客満足度等を必ずしも重点的に見ているとは限らないので、その評価はあてにならないこともあります。そのような評価に一喜一憂することに意味はありません。

自分でありのままの自分を認めて肯定していき、そこから心理的・技術的発展を進めていくようにすれば、他者からの評価に左右されずに済みます。つまり、自己承認を意識してみましょう。

内発的動機を増やす

人間が行動するときの動機づけには、「外発的動機」「内発的動機」の2つがあります。

内発的動機とは、物事に対する強い興味や探求心などの内面的要因による動機です。外発的動機は、報酬や評価、罰則や懲罰などの外部の動きによる動機です。

外発的動機は評価や罰則などを動機とするので、他者からの承認欲求もこれに該当します。内発的動機は他者からの評価とは関係のない、仕事に対する興味や関心、やりがいや達成感などが該当します。

つまり、自分自身の気持ちのみをベースとした動機が、内発的動機なのです。この動機を高めることで、他者からの承認欲求から離れていけるでしょう。

現実的な目標設定をする

自己承認を意識する際に注意したいのは、目標設定が高すぎてモチベーションが低下することです。目標設定が高すぎると、それを実現できないことによって不満や不安を抱くこともあり得ます。

理想を掲げて実現することは良いことですが、まずはありのままの状態を受け入れることが大切です。そこから低い段階の目標を一つでも定めて設定し、少しずつ目標の段階を上げていきましょう。

健康的な人間関係の構築

健康的な人間関係の構築も、他者からの承認欲求を起こさないために必要なことです。周りから褒めてもらったり、あたたかい言葉かけてもらえるような人間関係の構築をすることで、他者からの承認欲求が少なくなっていく可能性もあります。

承認欲求が強い人との職場での上手な付き合い方

承認欲求が強い人が会社にいた場合は、以下のようなさまざまな対処法で上手に付き合ってみましょう。

  • 褒める・称賛する
  • 意見や考えを尊重する
  • 適切な目標や責任を与える
  • 定期的にコミュニケーションをとる
  • 文章・テキストでの声かけをする

褒める・称賛する

承認欲求が強い人は、他者から褒められたり賞賛されたりすることを求めています。そのため、適度に相手を褒めてあげましょう。褒められることで相手のモチベーションが高まることもあるので、相手との関係にトラブルを生じにくくできるでしょう。

意見や考えを尊重する

承認欲求が強い人は相手に批判されると、それだけで「自分が認められていない=否定された」と思って怒ったり落ち込んだりします。そのため、相手を批判せずにまずは話を聞いてあげましょう。

相手の話を聞いて理解したり共感したりしてあげれば、承認欲求の強い人は「自分が認められた」と思って安心するので、トラブルを回避できるでしょう。

適切な目標や責任を与える

承認欲求の強い人は、「相手に認められたい、必要とされたい」という思いが非常に強いです。このため、裁量や責任のある仕事を任されると喜びます。

承認欲求の強い部下に裁量や責任のない仕事ばかりを与えてしまえば、「必要とされていない」と思って不安になったりトラブルを起こしたりする懸念があります。

可能であれば、承認欲求の強い人には裁量や責任のある仕事を与えましょう。そうすれば、「自分は必要とされている」と感じて、承認欲求の強い部下もモチベーションを高く保って仕事に取り組んでくれます。

定期的にコミュニケーションをとる

承認欲求の強い人とは、定期的にコミュニケーションをとりましょう。「相手は一方的に自分の話をする」「成果を過剰にアピールする」と思って会話を避けていれば、承認欲求の強い人は「自分は相手に気にかけてもらえない」と思って不満を抱きます。

こういった事態を避けるためには、承認欲求の強い人が「自分が気にかけてもらえている」と思えるよう、定期的にコミュニケーションをとりましょう。

文章・テキストでの声かけをする

承認欲求の強い人に対してのコミュニケーションでは、文章やテキストで声かけをすることも効果的です。

文章やテキストで上司や同僚が気持ちを伝えることで、相手は後からそれを読み返すことができます。送られた言葉を読み返した相手は、「自分が気にかけてもらえている」と思って、仕事に意欲的に取り組んでくれるでしょう。

承認欲求の対処には適切なコミュニケーションが大切

現代は、SNSの普及や家庭環境の変化などを要因として、承認欲求の強い人が社会に増加傾向にあります。今後も承認欲求の強い人の数は増えていく可能性があり、企業にとっても、そういった人達に対処する必要性は今後も増していくでしょう。

承認欲求の強い人に対しては定期的なコミュニケーションをとり、「あなたを気にかけていますよ」という姿勢を見せることで、関係を良好に保ちやすくなるでしょう。特に文章で残るコミュニケーションであれば、相手が後で見返せるというメリットがあります。

テキストで残るコミュニケーションをするのであれば、職場にビジネスチャットツールを導入することをおすすめします。

ビジネスチャットツールの「Talknote」は、いいねを付ける機能やコメント機能などがあり、従業員や上司と部下間の賞賛を残せるツールです。従業員同士のコミュニケーションもとりやすく、結果に対する評価や行動に対する承認や評価も可視化できます。

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